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美少女、俺!
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幸いそれ以上は不審がられることはなかった。
いや、そこは日本人関わり合いになるのを避け見て見ぬ振りされていただけかもしれないけど・・・。
とにかく誰に見咎められることもなく、徒歩10分で親友の天城悟の家についた。
(いくか?いくのか俺!?)
インターフォンを鳴らす前に、心で問いかける。
でもよく考えてみたら、いくらフルメイクをされたとはいえもう十年も一緒にいるんだ気づくに決まっている。
(よし、事情を話して笑い話にしよう。)
悟には母さんと姉ちゃんの趣味だって知れているし、笑ってくれるはずだ。
思い直した俺は、いつも通りインターフォンを押した。
「はーい、帝都か?待ってたぜ。」
バタバタという音とともに、玄関ドアが開きTシャツとジーパンといういつも通りの格好で悟が出てきた。
(ちょっとだけなら・・・。)
その瞬間俺にちょっとしたいたずら心が沸いてきた。
どうせバレるんだから、驚かしてみようかなっと思って意識して声を高めにする。
「あ、あの・・・これ・・・。」
ギャルゲーをみて覚えた可愛い女の子の仕草をまねてみる。
かわいい女の子の仕草だから姉ちゃんと母さんは見本にならない論外だ。
この時俺は全然知らなかったんだ。
姉ちゃんの渾身のメイクと母さんお気に入りのウィッグ、ついでに体つきを隠す服装のせいで違和感のない美少女になっているなんて・・・。
おずおずという演技をしながらチョコを差し出せば、悟もおずおずとした様子で受け取ってくれた。
「あ、ありがとう。それで君は・・・?」
(まさか気づいてないのか?まあ、これで気づくだろ。)
「みやこ・・・。」
「みやこちゃん・・・。」
バレンタインの時に使っている名前を出せば、悟はつぶやくようにその名前を繰り返した。
さすがにこれでわかっただろうと思っていたら突然ポケットに入れていたスマホが振動した。
誰だと思って画面を見れば、姉ちゃんからのLINEで宅配便が届いたけど開けていいかって内容だった。
(やべっ。)
数日前に通販で頼んだものだけど、母さんは勝手にあけたりしないから油断していた。
姉ちゃんならダメって言っても開ける。
「ごめん悟すぐ帰らなきゃ!じゃあ、また!」
慌てて碌に説明もしないまま、悟に地声でそう叫んで走り出す。
走りながら通話画面に切り替え、唯一姉ちゃんを止められそうな母さんに電話をする。
「母さん、頼む!姉ちゃんを止めて!今度荷物持ちでもなんでもやるから!」
「なんでも!?」
「荷物もち系なら!」
即座に返ってきた反応に怒鳴り返せばちょっと残念そうにしながらも、了承してくれたと思う・・・・多分だけど!
あとは全力ダッシュで家に向かう!
ああもう、スカートが長くて走りにくい!
母さんはちゃんと止めてくれたみたいで俺は無事、ちょっとあれなギャルゲーを姉ちゃんに見られるのを逃れることができた。
いやR18ついてる奴じゃないんだけどギリギリだし、下手すると姉ちゃんやりたいっていうから・・・。
姉とギャルゲー共有とか、どんな罰だよ。
「ねぇ、悟くん驚いてた?」
「驚いてたよ。それより、メイク落とし貸してくれよ。」
「せっかくだからお父さんにも見せてあげればいいじゃん。」
「いやだ!」
残念そうにしながらも、貸してくれたメイク落としを手に洗面所に向かった俺の目の前にいたのは美少女だった。
地毛と変わらない色味のウィッグはふわふわしていて、高校生になってそれなりになってきた骨格を隠していた。
手入れなんかしてなかった眉毛も、カットされてファンデーションまで使われてすっかりきれいに整えられていた。
目元もどうなっているのか、元の目とは違う垂れ目になっているし頬だってほんのりとピンク色だし、唇だってぷるぷるみずみずしい。
あんなに塗りたくったはずなのに、まるでメイクはほとんどしてないかのように自然だ。
服装も首元まであるから、喉仏も完全に隠れている。
長いスカートだったから、処理してないけどすね毛も見えない。
「なんだこれ!完璧じゃん・・。姉ちゃんプロになれるよ。」
「プロ目指してるんだから当たり前でしょ。」
様子をみにきた姉ちゃんにそりゃそうだって返事をされた。
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