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俺のディルドに神が宿った件
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毎日使うものこそ大事にしなさい、と教えられて生きてきた。だから使っては磨いて、綺麗に飾って敬って。しかし、その結果がこうなるとはよもや思うまい。
「私を目覚めさせたのはお前か?」
──俺のディルドに、神が宿った。
事の発端は、好奇心から。ネットでAVサーフィンをしていて見つけたアナニー動画に、俺は釘付けとなった。それまで男に興味があったわけでもなく、もちろん男の自慰にも興奮する性癖はなかった。
しかし、性欲だけは人一倍強かった。
だからと言うのも難だが、前を触りもせずに、あられもない声を上げて達する画面の中の男に、俺はいつの間にかすっかり夢中になっていた。
いや、正確には、男の尻の中に吸い込まれては現れる、その立派なディルドに。
……これ、そんなに気持ちいいんだろうか。
幼い頃から、あらゆるオナニーに手を出してきた。片栗粉にこんにゃく、オナホに空気嫁、ローターから最新のVR機器に至るまで。だけど、それほどまでに性に貪欲な俺でも、まだ未体験ゾーンが存在していたのだ。
アナルだ。
善は急げとはよく言ったものだが、俺はその動画を見終わるなり即座に通販でディルドを購入した。もちろん、抜け目なくレビューサイトで評判の良いものを選ぶのを忘れない。
アダルトグッズを選ぶときは、いつも真剣でなければならないのだ。
そしてその日はやってきた。想像よりも重量感のあるシリコンの肉棒を手にし、俺はこれから体験するであろうめくるめく快感に思いを馳せた。
結果から言えば、それは人生を変える運命の出会いであった。
いつでも臨戦態勢を崩さない鉄壁の肉棒は、時に激しく、時に紳士的に俺のアナルを貫いた。もはや、この快感を知らなかった頃には戻れない。何をしていてもこの感触が恋しくて、仕事が終わるやいなや家に勇み帰り毎晩ディルドに犯される日々が続いた。
ところで、俺はとても物持ちがいいタイプだ。愛着のあるものなら尚更長く使う。入社当初に買った革靴も、きちんと手入れしているためまだ健在である。
いわんや、このディルドをや。
俺は毎晩変わらぬ快感を味わせてくれる「彼」を、使用後は毎回綺麗に洗浄し、磨き上げ、一人暮らしであるのをいいことにその吸盤で壁に貼り付けて、使わない時はインテリアとして飾り立てていた。
朝起きたら「おはよう」、仕事から帰れば「ただいま」、夜寝るときには「おやすみ」。それほど大事に扱っていたのだ。
そして、今日。
いつものように「彼」とよろしくやるため飛んで帰ってきた我が家に、見覚えのない男が立っていた。
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