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出会い2
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「新条さん。この子、最近来てくれるシュンくん。Mっ子なんだけど、経験はないんだって」
新条さんが顔をあげてぼくを見つめる。
「は、はじめまして」
心臓がドキドキと飛び跳ねるのを感じながら、なんとか声をしぼりだす。新条さんは、正面から見ても、ぼくの胸をぎゅっと締め付けるどストライクの顔をしていた。
「こんばんは。はじめまして」
サディスト、なんて言われたので、怖い人だったらどうしようかと思っていたが、新条さんは、ふっと首を傾けて優しくぼくに微笑みかけた。
ママが固まったままのぼくを新条さんのとなりに押し込むように座らせてくる。
「シュンくんは、何に興味あるのかな? 縄とか鞭?」
「なんでも……、興味はあります」
SMの知識はほぼない。ぼくはあいまいにそう答えるしかなかった。
「新条さん、色々教えてあげたらいいじゃない」
「それは、シュンくんがよければ」
新条さんが、緊張で俯き加減のぼくの顔を覗き込むようにして、そう口にする。
「ぜひ……っ」
ぼくは、縦に何度も頷いた。
「今日は、あんまり大したものは持ってきてないんだけど」
新条さんはそう前置きをして、足元に置いた鞄から、するりと短い革のベルトのようなものを取り出した。
「首輪、つけてみる?」
鞄から、いきなり首輪が出てくる人なんているんだ、と思いながらぼくは、「いいんですか?」と言った。
「もちろん」
新条さんは革の首輪を、ぼくの首にするりと巻きつけ、喉の近くで金具をとめる。
新条さんの指は白くほっそりとしているが、少しだけ捲り上げられたシャツからのぞいた腕ががっしりとしているのが見えた。
「ほら、できた」
首にずしりと、少しだけ圧迫感があるが、苦しくはない。妙な心地だ。
新条さんは、ぼくの反応をじっと見つめていたが、ふいに片手を喉元に伸ばしてきて、ぎゅっと首輪をつかんだ。
「…………っ」
ゆるかった首輪がぎゅっと締まって、首が締め付けられる。
息が、できない。
「だめ、目つぶらないの。こっち見て」
思わず両目をつぶったぼくに、新条さんの声が飛んでくる。
ぼくはなんとか目を開けて、平然とした顔で、ぼくの首を絞める新条さんを見つめた。
そんな長い時間でなかったはずだ。それでもぼくのは永遠に感じられた。
息が、限界になる寸前で、ふっと、しめられていた首輪がゆるみ、ぼくは、はぁっと息を吸い込む。
「いい子だね」
うっすらと涙目になったぼくの頭を新条さんが優しく撫でた。
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