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〜恋side〜
「やぁぁ!!!おにいちゃんとねるのぉぉ!!」
空夜の足に抱きつき離れない瑠梨。
どうやら、夕飯前から一緒に遊んでいたのが楽しかったらしい。
普段、空夜は部活で帰ってくるのが遅いから、余計にかもしれない。
「いいよ、お母さん。俺瑠梨と一緒に寝るから。」
「じゃあ俺、春兄のベッド行くよ。昂、いい?」
「うん、いいよ!陸玖兄さんと寝るの久しぶり!!」
双子の部屋は同じ部屋で、昂と春陽が同じ部屋。確かにこれなら、瑠梨が空夜と一緒の部屋で寝られる。
「そう?ごめんね。」
「いいって。どうせお父さんもお母さんとイチャイチャしたいだろうし。」
「あはは……空夜は物分り良すぎてお母さん心配だなぁ。大丈夫?嫌なこととかあったらちゃんと言ってよ?」
「大丈夫だよ。俺お父さんとお母さんが仲良くしてんの好きだし。」
「ありがとう。それじゃあ、今日は瑠梨お願いするね。瑠梨、空兄ちゃんの言うことよく聞くんだよ?」
「はぁい!」
「はい。それじゃみんなおやすみ。」
「おやすみなさい。」
「まぁま、おやすみなさい!」
「おやすみ母さん。」
「お母さんおやすみ!」
子どもたちが2階に上がっていくのを見届け、恋はミシンを取り出す。
時刻は20時。いつもなら恋が瑠梨を寝かしつけて、他の子どもたちはまだテレビを見ていたりするのだが、今日はグズる瑠梨に合わせて、皆で部屋に向かってくれた。
琉は恋が家に戻ったと連絡したところ、プロデューサーから飲みに誘われてしまったので行くと連絡が来た。
この2週間、全ての誘いを断り続け、いい加減にこい、と言われたらしい。
(琉さんも疲れてるだろうに。)
子どもたちの世話をしながら仕事に向かい、本当なら休みたいだろうが、付き合いもあって大変だ。
「さて、と。」
幼稚園に入園した瑠梨のために、ランチョンマットや手提げ袋、巾着袋などを作ることにしていた。
笹倉家のミシンを借りてランチョンマットは作り終わっているので、袋を縫っていく。
恋はこうして、子どもたちのためになにかする時間がとても気に入っていた。
子育ては苦戦することもたくさんあったけれど、5人目になった今となってはそれも楽しみながらやっている。
まして上の子たちが手伝ってくれることも多く、今日も洗い物は四男の昂がしてくれた。
皆いい子すぎて、恋としては心配だが、困ったことがあると、それは話してくれる。
恋は子どもたちを信用しているし、子どもたちも恋や琉を信用し、頼ってくれていると思っている。
だから春陽と高校生の双子にはスマートフォンはほとんど制約なしで使わせているし、欲しいものに関しては理由がきちんとあれば買ってあげることにしている。
瑠梨にはまだまだ制約が必要だが、昂は元々欲しいものなどをあまり言わない性格のため、欲しいと言ってくれたものはなるべく手に取れるようにと思っていた。
それでも皆がわがままにならないのは、恋がダメなところはダメと線引きをしっかりしているからだ。
(昂にもそろそろ、セックスの話をしないといけないな……)
赤津家では、中学2年生から3年生の間に、セックスについて話すことを決めていた。
セックスは愛を育む行為であることと、その裏にある危険性について話すのだ。
高校生になった時、セックスしてはいけません、なんてことを恋は言えない。
ただ、そのリスクと、特性についてはしっかり知っておく必要があると思っている。
自分のような思いをさせたくもなかった。
だから、セックスがどんな行為なのか、子供たちにきちんと教えることにしている。
それは、男性とする場合も、女性とする場合も、配慮が必要であるとも。
「……うん、できた。かわいい。」
お弁当を入れる巾着袋。
瑠梨の好きなアニメキャラクターがプリントされた布を使って作ったのだが、なかなかいい出来だった。
「ふふ、手提げもお揃いにしようかな。」
1人で楽しくなって、呟いてしまう。
「楽しそうだな。」
「わっ、びっくりした。お帰りなさい。」
「気がつかなかった?」
「ちょっと考え事しながら縫ってて。」
「そっか。はー、ただいま。あと、恋おかえり。」
チュッ、と当たり前のように頬に額にキスされる。
それからぎゅーっと抱きしめられた。
「……はー、ちょっと充電した。風呂入ってくるわ。」
「はい、行ってらっしゃい。ちょっとぬるくなってるかも。」
「ん、大丈夫、ありがとな。」
今日の入浴は長くなりそうだな、と琉の背中を見送り、恋は再びミシンに向き直った。
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