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~空夜side~
戻った後には変な空気はもう無くなっていて、昴流と京も普通に会話をしていた。
4人で散々歌って、カラオケを楽しんで、そろそろ帰るかと店を出た。
「楽しかったー。」
「だな。俺また昴流と遊びたい。」
「俺も。」
もともと気質が合うのか、俊哉と昴流はすっかり仲良しである。
「あ、修学旅行の班、一緒にしない?」
「部屋の班か?」
「そそ。行動班も一緒にしてぇけど、行動班は男女混合の4人だったよな。」
「あー、そうだな。そこは無理だな。」
「でも、確か泊まりの班って7人だよね?いつものメンバーになりそうじゃない?」
くすくす笑いながらそう突っ込んだのは京だ。
昴流、京、俊哉、宏樹、光樹、兼、空夜でちょうど7人。
まさにイツメンだ。
「それは言えてる。」
「気が楽でいい。」
俊哉はあまりたくさん話すタイプではないからなのか、クラスの男子の中でもまだほとんど話したことの無い人がいる。
昴流は合唱コンクールで話すことが多かったようで、ある程度誰とでも話せるようだ。
「行動班どうなるんだろうな。」
「女子と一緒か……」
「俊哉、女子と話してるとこ見たことないんだけど。」
「そう言う昴流もだが?鳥谷としか話してないだろ。」
「あー、うーん、そう言われたらそうかもしれん。」
生徒会の役員や委員長の女子生徒とは話しているが、クラスの女子生徒とは確かに話していない。
この中で1番女子と話しているのは京かもしれない。
「……そう考えたら鳥谷か青原と同じ班がいいかもしれん。」
優子は昨年クラスが同じだったから話せる、という判断のようだ。
「あと京と一緒がいい。」
「うぇっ?!」
「京って鳥谷とも青原とも仲良いじゃん。青原は部活一緒だし。」
「あ、あー、うん、そうだけど……それなら他の人もいるんじゃ……?」
亜美香と優子はクラスメイト全員と話しているイメージがある。
亜美香への苦手意識があった様子だった優子だが、最近はよく話している。
「いや、普通に京と一緒がいいっていう俺の気持ちも入ってるよ?」
「あっ、そ、うなんだ。」
(……この無自覚たらしめ。)
あたふたする京にニマニマしてしまう一方、昴流のさりげない発言も気になる。
(京くんのこと、お気に入りなのは間違いないんだよな。)
「……なら俺も空夜と一緒がいい。」
「ふぉっぇ?!」
「え?今その声どこから出た?」
「ふふっ、なんかすごい声だったね。」
俊哉の急な発言に驚いた空夜は、自分でもよくわからない声を出してしまった。
「変な声を出すほど嫌だとか……?」
「いえいえいえ!そんなことはありません!!」
「なんで敬語?空夜どうした。」
「驚いてテンパってるのかな?」
自分が関わらないと冷静になる京の言っていることは、図星である。
「まあ、どういう風に班決めするか決めるの級長だから、宏樹に言えよ。」
「えっ。」
「空夜と同じ班になりたいからくじ引きはやめてー、ってな。」
「ちょっ……昴流、なんか俺のことからかってないか。」
「バレた?」
「なんか、楽しそうだね。」
「だなぁ。昴流と俊哉くん、相性いいんだろうね。」
前でワーワーやっている2人の後ろで、京と話す。
「よかったね?」
「へっ?なにが?」
「昴流、京くんと同じ班がいいってよ?」
「あっ、あれは、ほら……やっぱり親友として、なんじゃない?」
「それでもチャンスじゃん?行事といえば、恋愛の進展のためにはチャンスでしょ!」
「ま、まぁ……でも鳥谷さんもいるかもしれないし。」
「……それならもう、いっそ鳥谷さんと2人でアピっちゃえば?なんか鳥谷さんならそれもOKしてくれそう。」
「えぇ?!」
そもそも亜美香と京と昴流が同じ班になれるかどうかすらまだ決まっていないけれど。
「なんか、修学旅行が俄然楽しみになってきたなー。」
「空夜くん、目的変わってない……?」
「そう?普通に修学旅行も楽しみだよ。」
京と昴流の様子も気になるが、自分も俊哉や航のことを知るには行事はいい機会である。
それに元々行事は楽しみにしていた。
考えるだけで楽しくなってくる。
今回はクラスの皆と仲良くなれているから、余計に楽しみだった。
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