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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第10話 次の日
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翌日の朝。
当然俺は全く寝られず、フラフラながら学校へとたどり着いた。
天宮の本性、そして今日どうなるのか。
不安は尽きないけれど、両親に心配をかけさせたくないから学校には行かなきゃならない。
存在を消されることになったら……うん。それはもう仕方ない。
俺が余計な正義感で乱入したのがいけなかった。
いや……その後悔だけはしちゃいけない。
きっとああしていなければ、天宮はあの男たちに────
あの男たちに?
今、俺は何を考えた?
普通ならボコボコにされる姿のはずなのに、今俺が考えたのは天宮があの男たちに無理やり……。
「おい佐山」
「うわあっ!」
脳裏にありえない妄想がよぎりかけた時、沢田が声をかけてきた。
突然の事でかなり驚いたけど、あのまま妄想していたら俺は人の道を踏み外していたかもしれない。ある意味助かった。
「なんだよお前、大声出して気持ち悪いな」
「ご、ごめん。何?」
「ちょっと自販機行ってジュース買ってこいよ。いつも通り奢りで」
「ああ…………うん」
「……」
いつもは一応反論したりしているから、素直に反応されたことに驚いたらしい。
沢田は何か言いたげな目をしていたけど、自販機に向かうために背を向け歩き出すと何も言うことは無かった。
なんだよ……拒否権なんかないくせに。
でも、正直助かった。いやこういうパシリは良くないことだけど、今の俺にとってはじっとしてると昨日のことを考えてしまって頭がおかしくなる。
そういう意味ではありがたい。
けど……よく見たらあと五分で授業だ。あいつ、分かってて頼んだな。
自販機は校舎が違うから走って行って間に合うかどうかだ。まあでも急いでる分考え事をしなくてすむか……。
軽く走りながら、俺は昨日の出来事を頭の外へと追い出すことに集中することにした。
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