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学校一の陰キャが学校一の不良に「諸事情あって」ベタ惚れされた話
第54話 デジャヴ?
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「人の気持ちを弄んで……犯罪だぞ!?もみ消せば良いと思ってるのかよ!?」
感情が昂っておさえられない。思わず神崎の襟元を掴んで引き寄せその空虚な目を睨みつける。
身長差のせいで迫力なんかありはしないけど、しないよりましだ。
「春くん……!」
「佐山くん……!?」
二人の声が聞こえる。でも、言わなきゃならない。黙って見ているなんて、できない。
「全部全部、お前の思う通りにいくと思うなよ!」
「…………」
「はぁ、はぁ……」
まずい、と気づいた時には遅かった。
この状況、神崎が俺たちに突然襲われたとでも言えば通じてしまう。卑劣な手を使う奴だというのは今までの話の中で分かっていたのに、やってしまった。
こういうのは報復も恐れない強い奴がやることで、俺みたいな奴がやったところで良くて逆上されるだけだ。
慌てて手を離し、神崎から離れる。恐る恐る様子を窺うと、神崎は呆然とした顔をして呟いた。
「……初めてだ」
「え……?」
「初めてだ。俺にこんなにも反抗した奴。しかも、俺の予想を遥かに超えて。君みたいな人間が、この俺に……!」
俺みたいな人間って……さすがに傷つくわ。
「わ、悪かったな……うぇ!?」
ムッとしていると、突然腕を掴まれ引き寄せられた。さっきまで何も映していないような目だったのに、そこにはどこか光が宿っているように見える。
「ずっと気になってはいたんだ。だけど調べても調べても、君はあの時助けに入るような人間には思えなかった。君は……佐山くんは、俺には到底理解できない人間だ……!」
「あの……?」
「これが……恋ってやつなんだね……!」
……………………………………は?
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