アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お世話2
-
(シロside)
中学2年生の時にいじめにあって、それから人が怖いと感じるようになった。
青葉から離れられなくて、1人になると周りが怖くてたまらなくなる。
青葉がいない時は、常に俯いて隅を歩いていた。
(この曲の歌詞…………そっか、この人も、変わろうと努力したんだね。)
けど、変われなかった。
朝起きれなくて、気が付けば夕日が沈んで、
眠れなくて、気が付けば朝日が出ている。
そんな日々。
(昔はあんなに変わろうとしてたのに………今は、何も感じない。)
それどころが酷くなった。
なずなやユズ、青葉以外とまともに話せなくなって、親ですら話す機会が減った。
外に出たら怖いことしかないと思うようになって、外にも出れなくなった。
出たいと思っても、寝室のベランダから周りの住宅街を眺めるだけ。
実際に外に出たらきっと、怖いものが沢山ある。
この部屋に………青葉に、そんな怖いもの達から守られている感覚がした。
「シロ……?」
「青葉、外………見てもいい?」
あれ程1人で外に出るなと言った青葉も、ここから見るだけなら何とも言わない。
少しだけ嫌そうな顔もするけど……本当に少しだけ。
きっと青葉は、僕が人並みになれる事を歓迎していない。
痛む腰を抑えて何とか立ち上がり、窓を開けてベランダに入った。
「………」
外は少し寒くて、青葉が手を繋いでいてくれないと不安になってしまう。
僕が外を見ている間、青葉はずっと不機嫌そうに手を握っていた。
「………青葉、痛いよ。」
「あ……すみません………」
だんだん強くなっていくのが痛くてつい手を離させてしまったけど、青葉の体温を感じない外は、凍ってしまう程に寒かった。
「っ………寒い…………」
「中、入りましょう。……シロ」
本当は、外に出たいのに。
誰かと話してみたいのに。
それすらも出来ない自分に嫌気がして………涙が溢れた。
「っ……う、ぐ………」
「シロ…!だから外に出るのは嫌なんです……、早く中に入りましょう」
涙が止まらない僕を、青葉は無理矢理中にいれた。
「………ごめ、ごめんね……青葉、ごめんなさい……」
「なんで謝るんですか………でも、俺はシロが外に出るのは……嫌です」
そんなの分かってるけど、
僕もまた、普通の人みたいに自分のことは自分で出来る、普通の人間になりたい。
人並みでいい、むしろ人並みがいい。
青葉に頼りすぎるのは……………………嫌だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 46