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お留守番
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「じゃあ行ってきます、おやつは冷蔵庫。危ないから余計なことはしない事。誰か来ても絶対に出ない事。分かりましたか?」
「うん……!まかせて!」
1人にするなんて不安だけど………この部屋にいてくれさえすれば、大丈夫…だよね。
不安な気持ちが抑えきれないままマンションを出た。
(シロside)
余計なことはしないで大人しくしてて。
そう言われたけど………やっぱりまだ、役に立ちたい気持ちはある。
(掃除とか………してみようかな)
綺麗になったら青葉、褒めてくれるかな………
「………よしっ」
社会には出れないけど……せめて、少しでも普通に近付きたい。
何も出来ないままじゃいられない………そう思って僕は、部屋を歩き回ってみた。
ーーー
(青葉side)
「えっ、今家に1人でいるんですか?恋人さん……」
「はい……不安で仕方ないので、早めにチェックお願いします………」
いつも漫画を取りに来てくれる人には、一応同棲してる「恋人」がいる。と言っている。
家に来た時は出来るだけ会わせないようにお風呂場にシロを閉じ込めているし、中性的な見た目だから見られても男だと疑われる心配は少ないだろうけど。
「……はい、…はい、はいっ!OKです!お預かりします!」
「は、はい……、それじゃあ何かあれば電話で………し、失礼します!」
漫画の確認が終わるなり、俺は足早に家へ向かった。
ーーー
(シロside)
「………青葉……隙がないっていうか、どこも綺麗で手を加える必要が無い…………他になにか………できないかな」
部屋を歩くことに疲れて、寝室の外が見えるベランダの前に座った。
大きな窓越しに空を見ていると、
(………僕もいつか、窓越しじゃないところで、空を見れるのかな。)
なんて考えてしまっていた。
窓という仕切りがない、外の世界。
大きなマンションの高い位置にある部屋から見るより、きっと……もっと楽しいところ、なんだろうけど
(やっぱり……怖い)
僕は、この仕切りを越えられない。
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