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秋が受験期を乗り越えて漸く入れた高校。
入学式に両親と共に登校する秋は、とても幸せそうだった。
僕も空中に浮いて特別席で見ていたが、秋の顔はやる気に満ちていた。
高校に入ってから旭日光という友達が出来たみたいだった。その子がクラスの中心的な子だったお陰で、秋も友達の輪に入れたみたいだ。
だが、暫くして秋の両親は交通事故で他界した。
温泉旅行に家族で行く最中、冬だったのもあったのか、雪でスリップした大型トラックが突っ込んできたものだった。
前に座っていた両親とトラックの運転手は病院で死亡が確認され、後ろに座っていた秋は重症を負ったものの一命をとりとめた。
目の前で両親の死を見た秋のショックは大きく、一時期はカウンセラーに通うほどまで悪化していた。
秋は数ヶ月ほど不登校になり、引き取ってもらった祖父母に心配されていた。
この時期に一気に痩せ細り、肉が付きにくい体質になってしまった。
僕は一日中座り込む秋に寄り添い、傷が癒えるまで一緒に居続けた。
高校を退学し、中卒になった秋は高卒認定試験を受け、旭日光と同じ大学に入学した。
旭日光のお陰で大学生活も充実し、バイト先の先輩とも付き合い始めたみたいだった。
男の人だったが、他の人と愛の形が少し違うだけで、恋する気持ちは変わらない。
両親を失う前よりも、遥かに幸せそうな顔をしていた。
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