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幸せ
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坂田side
ピンポーン
無機質な音が部屋に響く。
ドアを開けると、
『え、うらさん?どうしたん?』
「さか、っ、た、」
『と、とりあえずあがってや。』
「さかた、もう嫌だよ…」
『え?え、ちょっとよくわかってないねんけど、
とりあえず入ってや!』
うらたさんは当たり前のように僕の部屋に向かう。
僕はそれを見ながらお茶の準備をして、持っていく。
ガチャ
部屋のドアを開けると、ベッドの隅っこに体育座りで体を寄せているうらたさん。
とりあえずお茶をテーブルの上に置いて、うらたさんの方に向かう。
また、いつもの病み期だと思うが刺激しないようにゆっくり近づきながら声を掛ける。
『どうしたん?うらたさん、何かあったん?』
なるべく優しく声を掛ける。
「さかた、もう、おれいやだよ…。」
『辛いことがあったんやね。ゆっくりでええよ。
僕に教えて。』
優しく、優しく、ガラスを扱うようにうらさんの体を抱き寄せる。
「女の子達がね、殴ってくるんだ、いつも、いつも、」
『え?』
「坂田と一緒にいるなって、坂田と一緒にいていい奴じゃないって、俺は坂田と一緒にいちゃダメなのかな…??」
『そんなことないで、うらさん。僕は好きでうらさんの近くにいるんやで?何かあったら僕に相談してや。僕がうらさんのこと守るから。だから、泣かんといて』
うらさんを抱き寄せる手を離して、胡座をかきうらさんを自分の膝の中に対面するように収める。
「さかた、もう、俺しにたいよ…、、、」
『…』
「分かってるんだよ。死にたいなんて簡単に言っちゃいけないって。生きたくても生きれない人がいることくらい。でも、毎回考えるんだ、俺が生きてて意味あるのかって、毎回毎回親に迷惑かけて、坂田にも迷惑かけてさ…。」
『ふふっ、』
思わず笑ってしまった。
『ねぇねぇ、うらさん、僕がいつ迷惑なんて言ったの?さっきも言ったように僕は好きでうらさんの近くにいるんだよ。だから、逆に迷惑かけてほしいし、僕の方がうらさんに迷惑かけてるやん。』
『ねぇ、うらさん、しにたいなんて言わないで?僕がうらさんと一緒に生きるよ。僕はうらさんがいないとなんも出来ひんって知ってるやろ?だからさ、うらさんの生きる意味を僕にしてや。
一緒に生きようや。』
精一杯の笑顔で伝える。
「ふっ、なんだよそれwww仕方ねぇなお前のためにも生きてやるよwww」
『んふふwww』
二人で笑いあった中1の夏。
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