アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
幸せ
-
うらたside
「な〜にしてんの!」
この街に一つしかない展望台で夜空を見上げる坂田に話しかける。
隣に立って、肩をくっつける。
「また、ここきたの?」
『うん、なんか落ち着くんよね…』
「こんな時間に出歩くなよ。心配すんじゃねえか」
『心配してくれるんのはうらさんだけや。親父は朝まで仕事やし、兄貴は友達と出かけた。僕にはうらさんしかおらん、』
「そんなことねぇよwww親父さんだってお前のために働いてるんだし、兄貴さんだってよくお前と遊んでくれてるじゃん」
時刻は午後23時。中学生と言えど遅い時間っちゃ遅い時間だ。そんな時間に展望台に来ているのだがもちろん人は俺たち意外一人もいない。
『ねぇ、うらさん。』
「なに、さかた。」
『なんかさ、夜にさ空見てるとどこまでも飛んでいけそうだと思わない?』
「うん、」
夜空にはたくさんの星が輝いている。
『うらさん、ぼくしにたい、』
その声は夜空に吸い込まれるように消えていく。
『物を投げつけられるんや。教科書もノートもボロボロ。
かばんも、、』
「え、」
『男子たちが、女子にモテるからって調子にのるなって、
のってるつもりないねんねど…なんでやろね』
『好きでこんな容姿に産まれた訳やないのに、
この赤い髪も赤い目も女の子たちは綺麗だって言ってくれるけど嬉しくない…。
男子たちは気持ち悪いって、もうおれこんな顔いやや、、』
「さかた、俺は好きだよ」
『え?』
「俺は坂田のその目も髪も顔も姿も全部好き。
だから、どんなにたくさんの人が気持ち悪いって、嫌いって言っても俺は好き」
「それに、しんだらなにがおきるかわからないじゃん?もう少し生きようよ俺と」
『うん、そうだね。もう少しうらさんと生きてみようかな』
中2の春
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 8