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幸せ
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坂田side
『うらさん…?』
「…。さか、っ、た…」
突然部屋に押しかけてきたかと思えば、またベッドの隅っこに体育座りしているうらさんに話しかける。
『センラのこと…?』
センラと名前を出すと泣き出すうらさん。
『うぇ、ど、どうしたん?』
「センラ、好きな人いるって。志麻くんのことが好きだって。」
あぁ、だから黙っていたのに。結局は知られてしまうなら早く教えてあげればよかったのかもしれない。
それに、相手はあの志麻くんだ。うらさんが、僕以外に信頼している人の一人だ。
「坂田は、知ってたの…?」
『………。』
何も言えず黙ってしまう。
僕は元々センラと仲良いと言うこともあり、センラからはよく志麻くんの話を聞いていた。好きなことも…
でも、うらさんが傷つくのが嫌だからというのを言い訳にして何も言わなかった。
うらさんの初恋に水を差すようなことはしたくなかった…。
『うらさんは、これからどうするん?諦めるん?それでええの…?』
「そんなの、いやだ…」
『うん、そう言うと思ってた。うらさん、僕は応援してるで。
それに、まだ付き合ってないんやろ?だったらセンラに好きになって貰えるくらい努力すればええやん。うらさんなら出来ると思うねんけど』
また、余計なこと言っちゃった
。
「ふふっ、なんだよそれ。そうだよな。こんな俺、俺らしくないよな。うん!俺頑張るよ!ありがとう!」
あぁ、僕はこの太陽のような笑顔が好きなんだ。
「坂田はさ、好きな人とかいないの?」
『…。』
「坂田?」
『いる、よ。何年も前から…。でも、その人は絶対僕のことは見てくれないから…。だから、僕はその人の近くにいるだけでいいんだ』
あぁ、だめだ。涙が出てくる。
「そんなにその人のこと好きなんだな…。」
『うん、好き。大好き、愛してるくらい。』
「そんなにその人のこと思ってるんだな。お前はその人の近くにいて幸せか?辛くないのか?」
『辛いよ…。でも、その人の幸せが僕の幸せだと思ってる。だから、その人のためなら僕は何でも出来ると思うんだ。』
「そっか…。でも、俺は坂田のこと応援してる!」
『…。ありがとう』
二人で寄り添いながら話した中3の秋
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