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中間考査一週間前
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入学式から一ヶ月が経ち、やっとクラスの雰囲気にも馴染んできたところだったが、5月中旬(学校によって異なるが)にあるとあるイベントをご存知だろうか。
イベントと言うと響きは良いかもしれないが、単なる中間考査のことである。
「お前ら、先週言った通りちゃんとテスト勉強してんだろうな?」
しかし俺の質問に対し、返ってくるのは沈黙のみだった。
「はぁ・・・後悔しないように真面目に勉強しろよ」
俺はそれだけを伝えて教室を出た。
・・・結果を楽しみにしておこう。
・・・・・・(←時間経過の意味)
3限目の授業を終え廊下を歩いていた俺は見覚えのあるような、そうでもないような後ろ姿を見かけた。
(老人か?)
そしてその後ろ姿を眺めていると急に振り返って鬼の形相でこちらを睨んできたため、俺は思わずビクッと反応してしまった。
(・・・ん?この人・・・)
「・・・相良さん?」
疑問形だったのが気に入らなかったのか、さらに視線が痛く刺さる。
「・・・相良ですが、何か?」
この人は相良亮一。
俺の高校の頃の先輩で、偶然にも同じところで同じ高校教師をしている。
担当は数学(内容は場合によって異なる)。
性格はとにかく糞真面目で堅物。
しかし後輩の俺に対して一切先輩面は取らないし、いつもは普通に良い人。
だが顔を合わせるタイミングが悪かったらしく・・・。
「お前のクラスはどうなっているんだ?」
「はあ・・・でもなんで白髪?」
相良さんの眉が寄る。
この人も26で十分若い。
ならなぜさっき俺が老人と勘違いしたのかというと、頭が真っ白だったからである。
「あのですね、白髪なんていずれ嫌でも出てくるんですよ?なのになんでわざわざ染め「違うわ!!」
俺の説得を相良さんは全力で否定した。
「よく見ろ!この頭を!!」
俺は言われた通りに頭を見る。
・・・?
これは染めたというより・・・。
「・・・粉?」
「そぉだよ!お前んとこのガキのせいでな!」
相良さんの言葉使いが荒い。
どうやら彼はご乱心のようだ。
「・・・もしかして、あれですか?ドアの隙間に黒板消しを挟んでっていう・・・」
「・・・・・・」
図星、か。
そういや昔そんな遊びがあったなー。
「えっと、すみません、今度注意しときます」
「・・・他にも」
「へ?」
「他にも注意してもらいたいことがあるんだが・・・」
そう言って相良さんはまた俺を睨む。
どうやら俺には拒否権というものがないらしい。
よって、俺は頷くことしかできなかった。
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