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小林の過去
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中学生の頃まで、俺はずっと独りだった。
無愛想で可愛げも無かった。
嫌がらせを受け、悪口を言われ・・・
でも、そんな俺を誰も助けようとはしなかった。
そしてそのまま、中学の一、ニ年の頃までずっと嫌がらせを受けた。
別に、俺はそんなことに興味は無かった。
誰かとつるんで強気になってるような奴に屈してたまるかと、ただ無視していた。
でもある日、とうとう俺の堪忍袋の緒が切れた。
俺はクラスメイトを殴った。
クラスメイトの腹を蹴った。
教師はもちろん俺を説教した。
・・・いや、正確に言うと俺だけを説教した。俺だけが悪いのか、一方的に俺が悪いのか、と・・・。
そう思ったが俺は言わなかった。
それすらも面倒に感じた。
だから俺は適当に肯定し、すみませんとだけ言って職員室を出た。
それからは平和だった。
しつこいくらいにうざかった奴らの嫌がらせはピタッと止まり、誰も近づかなくなった。
そして俺は本当に独りになった。
・・・・・・・
中学校を卒業、そしてとりあえず良いところに行こうと県内トップの高校に進学。
頭の良い奴が多い学校ならば、きっと平和に学校生活を送れると思ったからだ。
・・・だが現実はそう甘く無く、何故か学校全体、そして他校にも俺の中学校の頃の噂が広まっていた。
・・・誰だ広めた奴。
流石に同じ高校の奴らにケンカを売られることは無かったが、他校からは時々売られることがあった。
その時はとりあえずダッシュで逃走。
逃げられない時は問題を起こさないようにずっと防御に徹し、隙を見て逃げた。
・・・・・・
それはある日のこと。
とある人に声を掛けられた。
普段の学校生活からか、またか、と思った俺はその人を睨みつけた。
だが相手にそんなつもりは無かったらしく、ただ驚いた様子でこちらを見ている。
俺は心の中でしまった、と思いながらもどうでもいいか、と考えることを辞めた。
・・・なのに。
その人はよく俺に話しかけてくるようになった。
見たところ、その人は一つ上の先輩のようだ。
何故自分に話しかけるのかはわからなかったが、その人から悪意を感じなかったし、普通に楽しかった。
だから不覚にも、自分に友達というものがいたらこんな感じなのだろうかと考えてしまった。
高二の後半の頃には色々とあってその人とは一切話さなくなったが、本当に良い思い出だったと思う。
・・・・・・・
これは俺の少し昔の話。
なぜ今こんな話をしたのかというと、自分でも意外だったのだ。
何事にも関心を持たず、極力誰とも関わらなかった俺が、自ら篠村に話しかけ、補習の話を持ち込んだ時。
あの時はようやく自分にもコミュニケーション能力がついたのかと半ば呆れた。
そして補習では、申し出たのは俺の方だったが正直面倒くさかった。
でも、何処と無く楽しみでもあった。
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