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期末考査前日
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「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
とうとう期末考査まであと一日。
やはり空気はあまり良くない。
でもこれはこれでいいんではないかとも思う。
むしろ、明日テストがあるというのに楽しくやろうという方がおかしいんではないだろうか。まぁ、これはあくまでも俺の個人的な意見だが。
そういえば、もし良い結果が出たらその日の放課後空けといてくれ、とか言われたが、一体何があるというのだろうか。
正直、ずっと気になってしょうがなかった。
なんで良い結果だったらなのか。
どうして放課後と言ったのか。
「なぁ小林、本当にこれでいいのか?」
俺の勉強法に不安を持ったのか篠村は俺に質問した。
ちなみに俺の勉強法とは、テストに出る問題を予測してそこを集中的に勉強するといった方法だ。だから不安になるのも無理はないだろう。
「・・・さあな。でもピンポイントとはいっても量は多いし。むしろたった一ヶ月で全部を覚えるっての方が難しいし効率も悪い」
「・・・そう、だよな・・・」
「でも、それで悪い点数を取ったらそれは俺が悪い。その時はごめん」
俺が謝ると篠村は慌てて否定した。
「い、いや謝んなくていいよ!つかまだテストしてもねぇし!」
「はは、そうだな」
「やっぱりさっきの言葉なし!」
「はあ?さっきってなんだよ」
と、俺が聞くと篠村は、
「本当にこれでいいのかってやつ!」
「?」
「だってさ、小林が言ったんだから大丈夫に決まってんじゃん!」
「なんでそうなるんだよ」
俺は笑いながらそう言った。
何が言いたいんだ。
さっぱりわからん。
・・・・・・にしても。
さっきおかしいと思ったばかりなのに、結局俺はこの補習を楽しんでいる。
「・・・あのさ」
「ん、なんだ」
「この補習ってさ、いつまでやんの?」
「あー、お前が良い成績取るまでじゃねぇの?」
「そっか・・・じゃあ頑張んの辞めよっかなー」
「はあ?進学できなくていいのか?」
「・・・だってさ、」
篠村は言葉を止め、はにかんだ笑顔を見せた。
「・・・俺、小林とまだ補習してえもん・・・」
「!」
そういう言うと篠村は少し申し訳なさそうに、
「ごめん、また俺のわがままだ・・・ははは」
「いや・・・そうだな」
「・・・え?」
「俺も、お前と二人でしたい」
俺がそう言うと、篠村の顔がぱあっと明るくなった。
「ホントにっ!?」
「うお、ど、どうした篠村」
「ホントに、俺と二人でしたいの!?」
「え・・・」
あれ・・・俺、二人でって言ったっけ・・・?
今さっきのことなのに覚えていない。
無意識か・・・?
「・・・・・・・・」
「・・・・・・小林?どうかした?」
「・・・え、あ・・・」
今の俺は何故か混乱してて、なんとなく顔が熱くて頭の中が真っ白だった。
だから何も考えることができなくて、動くこともできなくて・・・その時の俺はとても無防備だったと思う。
ちゅっ
・・・・・・!?
今、何を・・・
「お、お前、何してっ・・・」
「キス。だって小林、顔赤えんだもん。抑えきれなかったわ」
と、篠村が言うので俺は慌てて否定した。
「は、はあ!?あああ赤い!?」
「ははっ」
「っ・・・なんで笑うんだよっ!」
そして急に笑いだしたかと思えば、篠村は立ち上がり、鞄を肩に掛けた。
「え・・・篠村?」
「俺、家で勉強するよ」
「は・・・え?」
なんだ?また萎えたのか?
それともさっきの俺の顔が気持ち悪かったとか・・・?
そう思うととても不安になった。
でもそしたらなんでキスしたんだ?
からかわれているのだろうか。
いや、からかわれているのは確実だろうけど。
「俺、小林の勉強法で頑張るから!」
「え?」
「へへっ、結果、期待して待ってろよ!」
「お、おう・・・」
「あ、良い結果が出ても補習は続行な!」
それはもう補習ではなくただの勉強会なんじゃ・・・?まぁいいか。
「・・・じゃあ結果でがっかりさせんなよ」
「あったりまえだろ!じゃあな、小林!」
「・・・ああ。明日、テスト頑張れよ」
「おう!」
篠村が教室を出た時、ふと思った。
あいつは誰にでも冗談でキスをするんだろうか、と。
なら佐藤とも?クラスの女子とも?
・・・なんとなく、嫌だな、と思った。
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