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放課後
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放課後になったにも関わらず、篠村は佐藤と帰るのを断って、何もせずただ席に座っている。
ん?何してんだ?
まさか忘れてるのか?放課後空けろって言ったのはお前の方だろ。
と、俺は心の中て悪態をついた。
しかし、特に帰る様子もないので忘れている訳でもないらしい。
もしかしてクラスの奴らがいなくなるのを待っているのだろうか。
・・・なんで?
そして数分後、教室には俺と篠村の二人だけになった。
なんか、重い・・・。
沈黙が続く中、先に口を開いたのは俺の方だった。
「篠村、用件はなんだ?勉強なら今日は無理だぞ。なんも用意してないからな」
俺がそう言うと篠村は、
「・・・ばーか。違ぇよ」
と、小さくぼそっと言った。
だが、この静かな教室の中ではそんな小さな声も聞こえてくる。
「俺、あんたに言いたいことがあるんだ」
「?」
そういうと篠村は立ち上がり、俺のとこへ来たかと思えば椅子に座っている俺を上から見下ろした。
すると、
ガタッ
ーーーえ?
気づけば俺は椅子から落とされ、地面に叩きつけられていた。
「いって・・・何すんだよいきなり」
「ーーー好きだ」
「は・・・?」
今なんて?
つかなんで椅子から落とされたの?俺。
「篠村、何言ってん・・・っ!?」
つい油断していた俺はまたあっさりと唇を奪われる。
「んん、ふ・・・」
・・・長い。
前とは比べものにならないくらいに。
俺は唇を無理やり離した。
「・・・はっ、なに、すんだよっ・・・」
「・・・さぁな」
「はあ!?」
そして篠村はすぐに俺の下半身に手を伸ばした。
さすがにこれは、やばい。
「し、篠村っ。もう止めろ!な!?」
しかし、篠村から止める気配はなかった。
俺はそんな篠村に少しずつ恐怖心を抱き始めた。
知らない。
こんな篠村を、俺は知らない。
怖い。
怖い・・・!
そして篠村は俺のズボンのチャックを下げ、迷わず下着の中に手を突っ込んだ。
「ひっ・・・!」
・・・今すごい気持ち悪い声出たんだけど!
どうすればいいのかわからなかった俺は、悪いと思いながらも篠村をと勢い良く飛ばした。
「・・・いった・・・」
「それは俺のセリフだっつーの!何すんだよ!ったく」
「・・・・・・・・」
「冗談もほどほどに・・・」
「冗談じゃなかったら?」
「は・・・?」
「冗談じゃなかったら、ヤっていいの?」
そして篠村はまた俺の方へ手を伸ばした。
俺は恐怖心からその手を引っ叩くのと同時に、
「止めろって言ってんだろうが!!」
と、思わず強く言い放ってしまった。
いや、これでいいんだ。
俺はそう自分に言い聞かせた。
こうでもしないと篠村は多分止めない。
「ふざけるのもいい加減にしろ!」
そう怒鳴りつけて篠村の方をちらっと見る。
そして篠村の顔を見て俺は驚いた。
「・・・ふざ、ける・・・?」
ぽた、ぽた、と。
気がつけば篠村の目からは涙が流れていた。
は?
何泣いてんだよ。
泣きたいのは俺の方だろうが。
散々好き勝手やって。
なのになんでお前が泣くんだよ。
ふざけんなよ、まじで。
「・・・ふざけてんのはどっちだよ・・・」
「は・・・?」
「期待させるだけさせといて、結局これかよ・・・」
はあ?
何言ってんだよ。
期待させた?
誰が。
「俺と話したらあんたは笑って。俺が笑ったらあんたは嬉しそうにまた笑って。俺がキスしたらあんたはすげえ顔真っ赤にして」
「っ・・・それは」
「何?勘違いとでも言いたいの?」
「・・・・・・!」
「ならあんたは誰に対してもそんな態度をとる訳?」
「違っ・・・」
「はは。最低だなあんた・・・」
「だからっ・・・」
「ならさ」
否定しようとする俺の声を遮って、篠村はギロッと睨み、
「その気もないのに期待なんかさせんじゃねぇよ・・・!」
「・・・・・・!」
篠村の言葉に何も言い返せず、ただ黙っていると篠村はもういいと一言言い、その場を去っていった。
俺はその後ろ姿をただ呆然と見つめていた。
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