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遅刻の理由
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「お前なぁ・・・」
「は、はははははー」
小林京介、只今絶賛説教中。
誰をかというと、さっき遅刻してきた賢こと篠村賢司。
遅刻した理由、寝坊。
「小林?、そんなに怒んなって。シワが増えんぞ?」
「小林先生と呼べ!つか俺は女か!・・・あのな、夜更かしは体に悪い。だから早く寝ろ!いいな!」
と、俺が言うと今度は篠村が
「俺は子供か!」
と、言うので俺は、
「俺から見たら子供だ!」
と、言い返した。
すると篠村は、むすっとした顔で俺を睨んだ。
・・・そういうところが子供なんだよ
でも俺は言わなかった。
もし言ったらきっと篠村はさらに言い返してくるだろうし、何より場所が悪い。
教室で言い合いになってたら目立つ。
「・・・バイト」
「ん?」
「深夜でバイトしてんだからしょうがねえだろ」
「あぁ・・・」
そういえばそうだった。
大学の資金のために割のいい深夜でバイトをしているらしい。
「・・・深夜辞めたらどうだ?」
「はあ?無理にきまってんだろ。平日は学校だし。それじゃ土・日しかいけねぇじゃん」
「いや十分だろ。3年間もあるんだし」
「でも・・・さ」
「?」
篠村は少し言いにくそうに答えた。
「その・・・高校でも結構金かかるし・・・やっぱいろいろといるんだよ」
・・・つまり、遠回しに言えば親のため、ということか。
ちゃらちゃらした奴かと思っていたが、意外と真面目なところもあるんだな、と俺は感心した。
「・・・んー、とりあえず様子をみるか。でも遅刻しないでちゃんと授業受けろよ」
「・・・・・・」
なぜか篠村はぼけーっとこちらをじっと見ている。
「・・・何」
「へっ?・・・いや、なんでもない」
「?」
篠村を不思議に思いながらもチャイムが鳴ったため、俺は教室を後にした。
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