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ふわふわとした幸せの瞬間
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「オレ、βだけど、生殖能力はあっからね」
自慢気に放たれる言葉に、僕の頭は、いやらしい妄想で埋め尽くされる。
理性が崩れ、散り散りになっていく気がした、
「ぅ、あぁ………」
身体が、求めていた。
腰に押しつけられたその肉棒をこの身体に埋め、擦り突き上げ、絶頂を味合わせて。
その欲望で、僕を溺れさせて……。
丸まる身体を引き伸ばし、目の前の雄に縋りつこうとした。
「歌護(かもり)っ!」
響いた珀蘭の声に身体が、びくりと震えた。
「ん?」
悪びれる様子など微塵もなく、目の前の男は、僕に覆い被さったままに声に瞳を向けた。
「離れろ」
落ち着いた声の裏に、じりじりとした怒りを感じる。
被さっていた男は、珀蘭の言葉に、困ったように僕に微笑み、身体を離した。
「なんで、Ωが居るの? 拾ってきちゃダメでしょ」
ゆったりとベッドを降りた男は、困ったヤツだというように呆れた声を放った。
「解ってる。でも、……放っておけなくて」
居心地が悪そうに視線を床へと落とした珀蘭に、男の瞳が僕を一瞥した。
「こいつの為か」
ポケットへと手を突っ込んだ男は、そこから小さな小瓶を引き出した。
「はいよ。1回1錠、効きは人それぞれだって」
小瓶を差し出す男に、珀蘭は、ゴムで筒状に束ねられた金を手渡す。
筒の大きさからいって、かなりの額だ。
2人のやり取りを、茫然とした瞳で見やっていた僕の傍に、珀蘭が腰を下ろした。
ふわりと舞った珀蘭の香りに、身体が疼く。
僕は助けを求めるように、その腰に腕を回し、抱きついた。
目の前に差し出されたのに、すっと引き離された欲望に、身体はじくじくとした熱に蝕まれていた。
小瓶を開けた珀蘭は、1錠を口に含む。
するりと近寄る珀蘭の顔に、僕は堪らずその唇に、かぶりつく。
「は………は、ふっ…」
珀蘭の口に含まれていた錠剤が、ぬるりと入り込んできた舌と共に、僕の中へと押し込まれた。
戯れるように僕の口腔内を撫で擦る珀蘭の舌の感触に、溢れる唾液を錠剤ごと嚥下する。
ごくりと蠢いた僕の喉に、珀蘭が唇を離した。
「これで、楽になるから」
困ったように眉尻を下げながらも笑みを浮かべた珀蘭に、柔らかく頭を撫でられた。
珀蘭に撫でられる頭が気持ちよくて、ふわふわとする感覚に、僕は瞳を閉じる。
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