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ハーフ円卓会議2
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そんなこんなで出席を決めたギルヴィスは、ハーフ円卓会議に向けて周到なくらいに緻密な計画を立てた。それこそ、早く着きすぎてしまうのではないかと逆に心配になるくらい余裕を持って日数を計算したし、各主要ポイントの通過日程から詳細なルートまで、それはもう事細かな工程表を作製した。実際、彼の計画に抜け目はなく、文句のつけようがないほどに完璧だった。
だがまあ、この世に真に完璧なものは存在しないらしい。
結論から言うと、ギルヴィスが結構な労力を割いて立てた完璧な計画は、見事に崩れた。
出発直前に駆け込んで来た臣下から、港でそこそこ大きな事故があったという報告を受けたのだ。なんでも、金の国が所有している中でも最大規模を誇る港で、船舶同士の衝突事故が発生したらしい。詳しく聞けば、積み荷は勿論のこと人的被害も多少、とのことだった。
急な事態に、しかし王としてのギルヴィスの判断は迅速かつ的確であった。貿易国として名を馳せる金の国にとって、海路は他大陸との交易に必須の場だ。その窓口たる港でそこまでの被害が出たとなると、他国へ向かっている場合ではない。
こうして、橙の国へ行くはずだった騎獣はその進路を港町へと変更し、ギルヴィスは自ら事態の収拾にあたることになったのだった。
幸いにして、衝突事故の被害は甚大という程のものではなかったが、現場へ城へと動き回って諸々の処理をしている内に、気づけば出発予定の日から数日が経ってしまっていた。慌てて残りの日数で計算し直してみると、今すぐ出発してもぎりぎり間に合わないのではないか、というくらい差し迫った日程になっていることが判った。
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