アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ハーフ円卓会議5
-
最高級の部屋に相応しい調度の数々は全て部屋の隅に追いやられ、椅子や机のへったくれもなく広く開けられた空間に、四人の大人が絨毯に直に座り込んでいる。濃い金髪に褐色肌をした色男が手にするグラスを一息に煽り、促された赤銅の髪の男が同じように一息にグラスを空けた。そうすれば続くのは、先程の大声の主である一際大柄な男で、隣に置いた大樽にこれまた大きなグラスを直接突っ込んで中身を掬っては、これまた一気。場における紅一点は流石に付き合わなかったものの、尻に敷くクッションの周囲には既に幾つもの瓶が並べられている。
未だ入り口で呆然としている幼王を見て、赤髪の男がにこりと微笑む。
「ああ、ギルヴィス王。その様子だと、件の事故は無事に片付いたようだな。何よりだ」
労いの言葉を掛けた彼に続くように、残りの二人がギルヴィスの方へと顔を向けた。
「よう、ギルヴィス王! なぁにそんなところに突っ立ってんだよ。早く中に入れって」
「あら、やっと主役が来たの? これでようやく妾の目も休まるというものだわ。何せむさ苦しいのが二人もいて、圧倒的に麗しさが足りていないのだもの」
幻覚でもなんでもなく、間違いなくそこにいるのは赤の国グランデル、橙の国テニタグナータ、黄の国リィンスタット、薄紅の国シェンジェアンを治める各王達だった。
王たちに手招きされ、驚愕に固まっていたギルヴィスはほぼ無意識に足を動かし、中央にいる彼らに近づく。
まぁ座れと促されたのは、赤の国王ロステアールと、此度の主催国である橙の国王ライオテッドの間だった。と言っても、示された場所は床なので席らしい席はなく、申し訳程度にクッションが置かれている程度である。未だ混乱しているギルヴィスは、流されるままにそのクッションに尻を落ち着けた。そんな彼に、大男、ライオテッドがずいっとグラスを差し出す。
「よし、取り敢えず一杯だな!」
「え、あの……いえあの、ライオテッド王、私はまだ、酒精を嗜める年齢では」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 22