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ハーフ円卓会議7
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その一方で、窘められた男二人は大いに不服そうな顔をする。
「なんだつまらん。大人の階段を昇る手助けするのも先達の役目ってもんだろう、ロステアール王」
「そうだそうだ! ロステアール王はそうやってギルヴィス王を助けたつもりなのかもしんねぇけど、結果的に損させてるんだからな! 酒と女性のいない人生なんて地獄だぜ!」
「貴殿らの主張はまあ判らないでもないが、この場においては詭弁だぞ? いくらギルヴィス王が可愛いからといって、からかうのはほどほどに」
男二人から飛ぶブーイングをいつもの笑顔で流し、さりげない反撃まで入れる赤の王を見ていると、安心も相まってかギルヴィスは段々冷静さを取り戻し、混乱しっぱなしだった頭を整理することができた。そして、そこでようやく彼は、あって然るべき疑問を抱く。
「……あの、皆さんは、一体何をされているのですか?」
唐突な質問に、きょとんとした顔でギルヴィスを見たのは橙の王だった。
「お前さん、これが酒盛り以外の何に見えるんだ?」
ご尤もである。
部屋中を埋める酒臭に、皿にどさりと積まれた多種多様なつまみの数々。床に転がされたり並べられたりと無法地帯を形成する酒瓶たち。どこからどう見ても、酒盛り以外の何物でもない。
しかしギルヴィスの知る酒宴は、こうも無作法なものではなかったように思う。彼は、参加したことのある数少ない宴の席の経験から、酒宴というものは立食会に近しいものであるという認識を持っていた。
いや、というか、酒宴がどうこうと言った話ではない。そもそもこれは酒宴ではなく、
「……会議、なのでは……」
この会の名は、確かにハーフ円卓会議であったはずだ。断じて、こんな臭いだけで酔ってしまいそうな宴会に呼ばれた覚えはない。
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