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ハーフ円卓会議8
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呆然としたような呟きには、黄の王が答えた。
「会議か。会議なぁ。まあ、話ならちゃんとしてるぜ。例えばそこの出奔王だけど、この間まーた性懲りもなく出奔したんだとさ。そんで案の定、あのイケメン宰相にしこたま怒られた、とかな」
「ははは、まあ、あの男は私に構うのが好きなのだ。私が出奔すればその機会も増えるから、それはそれで楽しんでいるだろうよ」
「男に構うのが好きとか、あんたのとこの宰相、ほんっとに趣味悪いよなぁ」
心底理解できないといった風の黄の王は、二十六歳という若さで赤の王よりも王歴の長い優秀な男だが、女好きで有名な王でもある。女性は等しくこの世で最も素晴らしい存在だと公言して憚らない彼にとって、赤の国の宰相が理解できないのは仕方ないだろう。
「折角とっても美しい顔をしているというのに、ロンター宰相のその病気は残念極まりないわぁ。それさえなければ、妾、褥に侍らせてあげても良いと思うくらいなのに」
美しさを至上とする薄紅の女王は、顔は良いのに自国の王のこととなると残念になってしまう赤の国の宰相を思い出し、麗しい溜息を吐いた。それから黄の王が、そんであれなんだろう、と顰めていた顔ににんまりと笑みを形作ってみせる。
「ロンター公爵の秘蔵っ子の、グレイ? だっけか? あの子にも怒鳴られたんだって?」
「おや、耳が良いなクラリオ王。グランデルの何処かに優秀な耳をお持ちのようだ」
「色んな娘(こ)とお友達なだけだよ。ま、あんたなら判ってんだろうが、ほいほい重要な情報吐くようなグランデル国民なんて存在しねぇよ。あんたのとこの国民は、こっちが引くくらい、あんたに対して忠実だ」
「無論、承知しているとも。臣下も民も、皆私を信じてついて来てくれている。本当に、私は恵まれた王だ。だが、それは貴殿の国も同じだろう? クラリオ王」
「いやぁ、あんたのとこほどじゃあないけどな」
そう言って笑い合う声を聞いていたギルヴィスだったが、二人のやり取りに抱いた疑問をぶつけようと、口を開く。
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