アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ハーフ円卓会議9
-
「あの、……クラリオ王は出奔出奔と仰いますが、ロステアール王のことです、何かお考えがあって出国なされたのでしょう」
尊敬する国王が何の考えもなしに国を開けることないだろう、という主張だったが、黄の王はギルヴィスの顔をまじまじと見た後に、ぶはっと噴き出した。
「そりゃあお前、ちょっとこの男に夢見過ぎってぇ奴だな!」
ええ……、と目を瞬かせているギルヴィスを、薄紅の女王が憐れむように見る。
「ロステアール王、可愛らしい子供を誑かすのは良くなくてよ?」
「そうそう、そうですよねランファ殿。いたいけな子供を弄ぶのは良くないな~」
最低だわとでも言いそうな紅一点と、調子良くそれに同調する色男に、件の赤の王はのんびりと首を捻った。
「これは困った。誑かした覚えも弄んだ覚えもないのだがなぁ」
やり取りを聞いていたギルヴィスは、一周遅れて、赤の王が他の王たちにけちょんけちょんに言われていることを理解した。そして、そのあんまりな言葉たちを否定しようと、慌てて口を開く。自分のせいで尊敬する王が誤解を受けるなど、あってはならない事態だ。
「た、誑かされてなどいません!」
「そうか、なら坊主は弄ばれてしまったか……」
「弄ばれてもいません! ライオテッド王! クラリオ王! ランファ王! そのような誤解はロステアール王に失礼だと思います!」
我慢ならないとギルヴィスが吠えると、四者四様に王達は笑った。冗談だ、半分はな! と大きな手でギルヴィスの肩を叩く橙の王といい、本当に真面目ねぇと扇子で口元を隠している薄紅の王といい、面白いなぁギルヴィス王はと笑っている黄の王といい、子供を弄んでいるのはロステアール以外の三者の方だった。
いや、この際そんなことはどうでも良い。問題は、名君の中の名君たる赤の王が、出奔王と馬鹿にされていることである。しかしながら、幼いギルヴィスには、三人の王を相手取って問答できるだけの能力がない。だからこそ、幼王の視線は赤の王へと向けられる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 22