アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ハーフ円卓会議13
-
にっちもさっちもいかない状況に、赤の王に助けを求めたくなるが、彼の王は飲み比べの真っ最中である。たかだか飲み比べとはいえ、勝負は勝負だ。待ったをかけるのは躊躇われた。
救いの手を求めて視線を彷徨わせていると、不意に軽薄な声が二人の間に割り込んでくる。
「ラーンファ殿っ、膝なら俺がお借りしますよぉ!」
声の主は黄の王であった。彼は飲み比べ対決を観戦していたはずだが、この場で唯一の女性が場を移したのに気づいて、同じく移動してきたらしい。王と言うには少しばかりだらしのない笑みを浮かべた彼は、今にも薄紅の女王の白い腿に頭を乗せんばかりである。
しかし、ずずいと寄ってくる黄の王への返答は、その額を強かに打つ扇であった。
「あまり調子に乗るんじゃあないわ」
「いてっ」
それなりに良い音を立てて小突かれた額を抑え、黄の王は少しだけ唇を尖らせてから、ギルヴィスの方を見た。
「あーそうだギルヴィス王。流石に喉乾いてんだろ。どれ飲む? 早くしねぇとあそこの二人に飲み尽くされちまうぞ」
「子供の口には甘い方が良いかしら? 果実酒があるわよ?」
両手に酒瓶を持ってこちらを見て来る二人の王と、その後ろで楽しそうな笑い声を上げながら酒を喉に流し込んでいる王たちを見てから、ギルヴィスは遠い目をして、ひとこと。
「……取り敢えず、お酒でないものを、頂きたいです……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 22