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ハーフ円卓会議14
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結局宴会(最早ハーフ円卓会議とは呼ぶまい)は明け方まで続き、その頃には黄の王と橙の王はべろんべろんになって死体の如くといった様子であった。なお、美容にこだわる薄紅の女王は、夜が更けて来たあたりで自分に割り振られている部屋にさっさと退散していた。曰く、夜更かしは大敵だそうだ。
ギルヴィスはギルヴィスで、急ぎ旅の疲れもあってか、途中からうたた寝をしてしまっていたらしい。鳥が囀る音にゆるゆると覚醒すれば、床で丸まって寝ていた身体には大きな外套が掛けられていた。それが赤の王の物だと気づいた彼が慌てて飛び起きて部屋を見回すと、無様に転がっている死体二つと、黙々と片づけをしている赤の王の姿が目に入った。
「す、すみません!」
外套を抱えて赤の王の元へ駆け寄ると、赤の王はにこりと微笑んで返した。
「おや、お疲れだろう。もう少し寝ていても良いのだぞ?」
「ロステアール王一人に片づけを任せるなど、そういう訳にはいきません」
「私がたまたま起きていたからやっているだけだ。貴殿が気にすることではない」
「それでも駄目です」
引く気がないギルヴィスに、赤の王がまた笑みを浮かべる。
「それでは、残りの酒瓶を全て回収して、この袋に入れて頂こうか。その間に、私はあの二人を部屋まで運ぼう」
「あの二人って、……お一人で大丈夫ですか?」
「クラリオ王は全く問題ない。ライオテッド王も、さすがに重いだろうが、まあ大丈夫だ」
そう言いきった赤の王に、ギルヴィスはまた感嘆してしまう。
この王は、王として他の追随を許さない程に優れている上に、武人としても大層優れているのだ。本当に、こんな王は、もう二度と誕生しないのではないだろうか。
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