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ハーフ円卓会議15
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赤の王が言葉通り黄の王と橙の王を部屋に運んでいる間、ギルヴィスは酒瓶やら酒樽やらの片付けに勤しんだ。黄の王が赤の王に横抱きにされている様に少し笑ってしまったのは、内緒だ。なお橙の王はさしもの赤の王も大変だったのか、俵担ぎで部屋に運ばれて行った。そして、これにもギルヴィスは笑いを禁じ得ないのであった。
「片付けを手伝わせてしまってすまないな、ギルヴィス王」
国王二人を運び終えて再び部屋の片付けに戻った赤の王が、そう言いながら端に寄せられた机や椅子を元の位置に戻していく。そこまでする必要はないのではないかと思ったギルヴィスだったが、出来るだけ宿の人間に負担を掛けないように、という配慮なのだろう。さすがは赤の王である。
「いえ、お気になさらず。……そんなことより、ハーフ円卓会議とは、いつもこうなのでしょうか」
「まあ、どの国で開催しても、大体毎度こんな感じになるな」
「……会議、というか、宴会ですね……」
疲れたように言ったギルヴィスに、赤の王が笑う。
「とは言え、皆、今回は特にハメを外しておられたな。貴殿がいたからだろう」
「私、ですか?」
「ああ。今回の宴は、いつもの会議に加え、貴殿の歓迎会という面もあったからな。からかうようなことを言ってばかりだが、皆、貴殿の即位を喜び、心から祝福しているのだ。少々おふざけが過ぎるところもあるが、それも貴殿の緊張を和らげようと思ってのこと。その点、ご理解頂けると有難い」
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