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ハーフ円卓会議16
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優しい声に、ギルヴィスの胸がぎゅうと締め付けられる。
赤の王の言葉は、全てを物語っていた。一日も早く国王として認められるような人間にならねば、と奮闘してきたギルヴィスだったが、なんのことはない。
「……皆様、もう、僕のことを認めてくれていたんですね」
「当然だろう。貴殿は確かに、まだ幼く頼りない面もある。しかし、心持ちや素質は十分に王のそれであると、皆判っているのだ。ならば、経験の低さを理由にそれを認めないなど、あろうはずもない。……これを言っては怒られそうだが、発言に棘のあるエルキディタータリエンデ王とて、貴殿を本当に認めていない訳ではないのだ。あの御仁が本当に王として不足と考えたならば、それこそ容赦なく玉座から引き摺り下ろしにかかるだろうからな」
「……そう、でしょうか。……僕、王として、きちんと立てているでしょうか……?」
ほんの僅か、縋るような目で見上げてきた幼き王の頭を撫でてやり、赤の王が微笑む。
「勿論だとも。私が保証しよう」
その言葉に、ギルヴィスの顔が明るくなる。そして、彼は美少女さながらの笑みを浮かべた。
「それでは、皆様方と肩を並べられる王になれるよう、更に精進致します」
「ははは、これは、私もうかうかしていたら追い越されてしまうかもしれないな。……まあ、しかし、」
ぽんぽん、と、大きな掌が金の王の頭を滑る。
「取り敢えずは、気が緩んだときに“僕”と言ってしまう癖を改めようか?」
茶目っ気をたっぷり含んだ言葉に、自分の発言を遡った金の王は、かあっと顔を紅潮させるのであった。
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