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リクエスト14: アーヴィングがリシェにマントをかけてあげる話
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アーヴィングがリシェにマントをかけてあげる話
※後日談3後の時間軸です。
【side: リシェ】
「っ、」
だんだんと冬に近づき始めたセグラドル。
日中はそれほど寒くないが、暮れてくるにつれ空気は冷え込み、つい身震いしてしまう。
(こんなに遅くまでいるなら、なにか羽織ってくれば良かった)
思ったより長く居すぎた訓練場。
トラウマも消え、前よりよく通うようになった。
今日も白熱する訓練試合に気を取られ、気づけばもう夜。
そろそろ帰ろうかと腰を浮かす。
(アーヴィング様はまだなのかな?)
ここまで遅くなったんだし時間が合えば一緒に帰ろうと思ったけど、仕事中だろうか。
食事は一緒に取りたいから、部屋で温かいものでも飲んで待っておこうかな……
「リシェ」
「ぁ、アーヴィング様っ」
兵士にひとこと告げ歩き出した矢先、大好きな低い声が聞こえた。
「お疲れ様です。仕事は終わりですか?」
「あぁ。
こんな時間までいたのか君は。寒くはないのか?」
「ちょっと訓練を見るのに集中してしまって……
そうですねっ、少し肌寒いのでもう帰ろうかと。
ーーっ?」
話していた僕の頬に、手甲を取ったアーヴィング様の手が触れる。
「まったく。何が〝少し〟だ、冷え切ってるじゃないか。
ほら」
「わ、ぁっ」
眉を寄せ直ぐにマントを脱ぎ、僕の肩にかけてくれた。
「羽織って帰るといい。無いよりマシだろう」
「ありがと、ございます」
がっしりとした分厚いマント。
自分の背丈じゃ地面に着いてしまうので、身体へ巻くようにグルリと巻きつける。
(ぁ……)
ふわりと香る、番の匂い。
いつもの匂いと仕事中にかいたのであろう汗の匂いがしてきて、思わずぎゅっと身体を抱きしめた。
まるでアーヴィング様に包まれてる気分。
駄目だ、これは温かいどころじゃなく火照ってきてしまう。
早く部屋へ戻らなきゃと、長身を見上げた瞬間ーー
「うわぁっ!」
ガバリと横抱きにされ、訓練場を背にすぐ歩き始められた。
「あ、あの、アーヴィング様?」
「今のは君が悪い」
「え?」
「ーー俺の匂いに感じたのか? リシェ」
「ーーーーっ!」
耳元で囁くように言われて、ぶわりと赤くなる。
「訓練場で着替るつもりだったが、俺も一緒に帰ろう。
夕食の前に君を食べてもいいか?」
「へ?」
「このマントをベッドに広げて、その上で抱くとしよう。
どうだ?」
「っ、それ、は」
ニヤリと笑う瞳に、驚く僕の顔が映る。
それは
それは、あまりにも嬉しい 提案で
「〜〜〜〜っ、はぃ」
「くっ、はは、俺の番は素直だな」
真っ赤に染まってどうしようもない僕を、アーヴィング様は可笑しそうに抱きしめた。
〜fin〜
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