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(うわぁ……)
部屋の庭にぽっかり空いた穴。
周りを石で囲い、その中に湯気を上げるお湯がたっぷり入っている。
すぐそこには洗い場もあり、ここがお風呂だと初めてでもわかって。
「露天風呂付きとは。陛下に感謝を述べないとな」
「露天…外にあることですね?」
「あぁ。部屋にあるからいつでも入り放題だ」
「!! すごい!」
温泉に入り放題。部屋も広いし、この宿一体いくらなんだろう? 夕食も美味しかった。
(これから4泊こんな部屋で過ごして、美味しいご飯食べて露天風呂にも入って…)
贅沢すぎて僕駄目になるかもしれない……
いやいやっ、折角陛下がくれた旅行。目一杯楽しまなければ!
素早く衣類を脱ぎ、2人で温泉に向かう。
外の空気で身震いしてしまうも、すぐアーヴィング様が桶でお湯をかけてくださった。
「〝かけ湯〟と言う。温泉に入る前の基本だ」
「へぇ、そうなのですね」
「いきなり入ると熱くて堪らんからな、こうして身体を慣らすんだ。表面の汚れを流す意味もある。
…これくらいでいいだろう。さぁ、入ろうか」
これに足をつけるのか。
少し緊張する。でも、恐る恐る足を伸ばして……
チャプ…
「わ、」
チャプチャプ…ジャブ、ジャバッ!
「うわ〜〜〜!」
なにこれ、なにこれ!
風呂と全然違う。お湯が肌に吸い付くよう馴染んで、温かくて思わず「ほぉ…」と声が出てしまう。気持ちよすぎる。なんだこれは。
「気に入ったようだな」
「アーヴィング様、すごいですこれ、すごい」
「ははっ、そうだな」
2人分の体積でザバァ…!っと溢れていくお湯。
勿体ない、全部取っとけたらいいのに。
「蛇口が何処にもありませんっ」
「温泉だからな」
「一体何処からお湯が……あ、ここですね、この穴から出てます。これはずっと出しっぱなし…?」
「天然のものだからそうだろう。止める理由は無いし、常に湯は満杯のはずだ」
「なんて贅沢……こんなに溢れても問題ないなんて王様にでもなった気分です」
「あぁ。この星空の下で温かい湯に浸かれるというのも、格別だ」
「ぇ、星……うわぁ…!」
温泉ばかりで気づかなかった。
見上げた夜空には無数の星が輝いていて、湯けむりと合わせより幻想的で。
「おいで」と手を差し出してくださるアーヴィング様に導かれながら、並んで暫く空を見上げた。
***
「さて、そろそろ身体を洗うか」
「………」
「…リシェ?」
お互い無言で、ひたすらリラックスしながらお湯に浸かって。
一旦身体を洗い、もう一度入る。多分その流れ。
分かってる、だけど。
(ど、しよ…立てない……)
あまりに温泉が気持ちよすぎて、真の意味で身体が芯からほぐれてしまって
ーー勃っ、て…しまった……
(いやいやっ、卑猥だなんか、決して温泉は悪くない!)
最後にシたのっていつだっけ。そう、出発前の夜。
あれから数日馬車に揺られ、その間何もなかった。けどたった数日でこうなる? アーヴィング様はなんともないし、やっぱりこれは僕がおかしいのか。いやだって、ちょっとあまりの気持ちよさに油断してしまっtーー
(待てっ、今はそうじゃなくて)
どうしよう、恥ずかしすぎる。
内股で隠してるけど完全に勃ってる。これはちょっとやそっとじゃ治らない。
アーヴィング様に…なんて言えば……
「リシェ、湯にあてられたか? 少し休むか」
「いいえ大丈夫ですっ!
あの、先に行っててください。まだ浸かっていたいので」
「しかし、顔が赤い。初めてで己の加減がわからないんだろう。これ以上浸かるのはよくない、出るんだ」
「ぃやっ、そのーー」
うぁ、自分でも分かるくらいに自分の匂いが濃くなってきた。温泉の熱さと恥ずかしいからくる熱さとで、どんどん身体の熱が上がってる。
これはアーヴィング様じゃなかったら一発。
まだなんとか誤魔化せる、何か、何かないか、何かーー
「ひゃあっ」
中々言うことを聞かないのに呆れたのか、返事を待つ前に抱きかかえようとした手が太ももの辺りを掠めた。
その刺激に、思わずビクリと震えてしまって。
「………リシェ、これは…」
「〜〜っ、皆まで言わないでください…っ」
涙目で見上げると、驚いた表情が段々笑いに変わる。
「……くっ、ははは!そうか成る程、これは立てないな」
「っ!? ア、アーヴィング様いじわる……」
「そんなに気持ちがよかったか、温泉は」
「………はぃ…」
もう恥ずかしくて恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいに恥ずかしくて、両手で顔を覆うと頭にキスが落ちてきた。
「出ようリシェ、湯あたりもあるかもしれない。
ほら、首に手を回して」
「っ、はい……」
「可愛いな、リシェは」
「〜〜っ、もう許してくださぃ」
厚い胸板へ顔を隠すよう手を回すと、微笑ましそうに笑われザバンと湯から出された。
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