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雪山
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「──…君まで僕を裏切るんだね」
返り血を浴びた横顔。
俺の足元に向かって銃弾を飛ばしたお前は、絶望の表情で " 笑い " ながら呟く。
「…ちが…ッッ…─!」
銃弾をかわして後ずさった俺は雪に足をとられて動けなくなった。
「違うんだ、リュウ!…俺は…!!」
「言い訳なんていらない」
「…やめろっ…──違う! やめてくれ!」
肌を震わす純白の世界に
お前の周りだけが鮮やかな赤色で──
動かぬ屍と化した憲兵達の黒い服と混ざりあい、それは最高に毒々しい華として咲き乱れていた。
それは、あの日お前と見た
一面に広がる曼珠沙華( マンジュシャゲ )。
紅く、紅く…
お前の怒りを映し出して、燃えているような。
「駄目だリュウ! 俺はっ」
「悪いのは焔来だよ」
今さら…喉がちぎれるほど叫んだところで意味はない。
お前は憲兵から奪った銃を構え直して
そして──心臓を狙ったそれが火を噴いた。
.....
お前には欠片の躊躇もなかった
“ 俺が悪いのか ”
これは罰だ
お前を裏切った俺に与えられた
訣別という名の報復だ
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