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金髪碧眼。長すぎるまつ毛。
人形みたいに整った顔。
予想以上に可愛い男の子だ……
もしかしたら未成年か? 参ったな。子どもは苦手なんだけど。
「初めまして。俺はチェイス。25歳。趣味はサッカーと料理。君は……?」
簡単に自己紹介をしたら、警戒するように見られた。
「……ルーク」
それだけ?
隣に座ろうとしたら、明らかに緊張している。
『αが苦手』
さっきの言葉を思い出し、無理に距離を詰めるのはやめておいた。
「年はいくつ?」
「……22」
驚いた。全然、成人しているように見えない……
「前はどの辺に住んでいた?」
当たり障りのない話題を振ってみる。
「あの……」
ルークが口を開く。
「俺、好きな人がいるんです。だから、あなたとは……その……」
言いにくそうに言われる。
Ωは番や恋人に操を立てる者が多いし、きっとこの子もそうなんだろう。
「……ごめんなさい」
申し訳なさそうに頭を下げられた。
「そうか」
無理矢理とか趣味じゃないし。
少し残念だったけど――
「職員に申し出てみたら? 遺伝子レベル不一致でも、できるだけΩの希望を取り入れてくれるらしいよ」
「…………優しいんですね。αじゃないみたい……あ、す、すみません!」
驚いたように呟かれた言葉。
「母親がΩだったからかもしれないね」
「両親共、αじゃないんですか!?」
彼が信じられないという顔をした。
少し緊張が解けたのか、両親の話や仕事の事、色々な話をした。
「…………実はさっきの人なんです」
ルークが小さい声で呟く。
「え?」
「俺、ルーザーに片思いをしていて……」
さっきの担当――あの嫌味な奴か。
「告白は? 生き残っているならαだろ?」
「何回かしましたが惨敗です。あの人は研究に人生を捧げているような人で、全く相手にされません。ついでに『未経験のガキには興味ない』まで言われました」
Ωが抱けるのに断る奴もいるんだな。
「…………それで、あなたにお願いがあるんですが」
「何……?」
「俺の事、抱いてくれませんか?」
「は?」
聞こえてきた言葉に顔を上げる。
「…………今、お前、好きな奴いるって言わなかった?」
「はい。あの、ルーザーに言われたんです。『処女は面倒くせぇから、他の男で経験値上げてこい。色気が出てきたら考えてやる』って」
ルークは真顔で言ってきた。
いやいや。それ、明らかに断る口実だよな。
「……22で未経験なんて天然記念物ものだな」
考えが纏(まと)まらず、余計な一言を言ってしまう。
「俺、発情期がまだなんです」
落ち込むルーク。
22で発情期がきていないなんて――
「だから5人も断ったのか」
「提案はしてみたんですが……怒り出す人もいたり、優しくても痛くて入らなかったり。避妊してくれない人もいて……あの……駄目ですか?」
上目遣いで聞かれる。
「初めての相手になれるなんて光栄だけど、後悔しない?」
好きな奴がいるのに他の男としたい訳がない――
「俺、ルーザーの事、諦められなくて……可能性がある事は全部、試してみたいんです!」
決意の硬い顔。
ルーザーの方はどうなんだろう。もし少しでも気があるなら――
「一日だけ考えさせて。今日は一緒に食事だけしよう」
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