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「………痛い」
今にも泣き出しそう顔でルークが言う。
「また明日にしよう」
動きたい気持ちをぐっと抑える。
「ううん。最後までして……」
「でも……」
「チェイスは優しいね……俺の初めて、チェイスで良かった……」
青い顔をして、ルークが俺を見つめた。
「キス……してくれたら……痛いの、我慢できるかも……」
健気な言葉に、それ以上やめようとは言えなかった。
結局、ルークは痛みで達する事もできず、疲れたようで、今にも眠ってしまいそうになっている。
初体験はなんとか終了。快感など得られず、終始、痛みを我慢してるだけだった。
「…………チェイス。抱いてくれてありがとう」
起き上がれないルークは気だるげな表情で横になったまま。
「平気か? 水、いる?」
「ううん。大丈夫……」
涙目で見られて変な気分になる。
「いつかは痛くなくなる……?」
ルークに手を掴まれた。
「何度かやれば、きっと慣れる」
「チェイス。もう少し俺に付き合って」
「後は奴に夜這いでもかけて、してもらえよ」
突き放すようだけど――
一度きりの方が良い気がする。
「女装、拘束プレイ、青姦、なんでもするから!」
必死に言われ、肩を落とした。
「おいコラ。ちょっと待て。誤解を招く言い方はやめろ。そんな趣味持ちあわせてねぇぞ」
「………だって、色気なんてゼロのままだし。これじゃ面倒くさいって言われる。お願い! もっと色々教えて!」
潤んだ目で見られ、困ってしまう。
色気――最近、出てきたと思う。意外と可愛いし、健気だし……
言われるまま、関係を続ける事にした。
「男は視覚に弱い生き物だ。全部出してるよりも隠れてるものを暴きたくなる。時々は着衣のままとか? シャツのボタン外してチラ見せ、お前でもできるだろ。今日はお前から誘惑して上に乗ってみろ」
「………やってみる」
言われた通りにシャツのボタンを外すルーク。
本当に素直……なんでも言う事聞いちゃうのかよ。
うっかり、キュンとしてしまい、いかんいかんと頭を振る。
「だ……だ、だ……抱いて!」
「うーん。70点。無理してる感が半端ない。お前だとキャラが合わないな。緊張して言えないならボタン外して、何も言わずに上目遣いで抱きつくとか?」
ルークが顔を上げる。
震える手。真っ赤な顔。極めつけに涙目の上目遣い。
「…………チェイス」
「悪くない」
本当はドキッとしたけど、顔に出さずに隠した。
「チェイス。一緒にお風呂入らない? 体、洗ってあげる」
未経験のくせに、好奇心だけは旺盛で。
「いいけど」
「じゃあ、行こ!」
満面の笑顔でルークが笑う。
不意打ちの笑顔に焦る。
笑うとタレ目になるんだよな。犬みたいに懐きやがって。
風呂場で洗いっこ。今時、バカップルだって、やんねぇよ。
「ふふ。チェイスの髪の毛、猫みたいになったよ」
「人の髪で遊ぶな」
「遊んでない! えーと。スタイリングしているだけ。似合ってるよ!」
ルークが言い訳してきた。
「嬉しくないっつーの」
呆れてから二人で笑い合った。
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