アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
新歓9
-
-玲翔side-
「はーい!これでルール説明は終わりだよ☆じゃ、逃げる人はスタートラインに着いて下さーい。鬼側の人は逃げる人がスタートしてから10分後にスタートです!」
会計の言葉で生徒達がゾロゾロとスタートラインへ向かっていく。スタート直前で生徒達のボルテージは最高潮のようだ。
「俺らも行くかー!ま、折角だし鬼ごっこ楽しもーぜ!」
「そうだな、食堂購買無料券のためにも逃げ切ろう」
立花と龍はなんだかんだやる気みたいだ。確かに、つまらない行事で終わらせるには会計に申し訳ない気がするしな。
…キスマ事件は許してねぇけど。
「言ってなかったけど、俺鬼だからー」
直哉が思い出したように言う。
「え、マジ?!」
「へぇ、そーなの。でもどーせお前は鬼でも鬼じゃなくてもBLウォッチングするつもりだったんだろ?」
「ご名答ー!よくぞ見抜いてくれた。伊達に同室者やってないネ!この日のためにバレないかつ良い角度、明るさで撮れるような場所をくまなく探し回ったんだから!」
よくやるなぁ…
ここ最近、寮に帰ってきた途端にそそくさと何か準備して出ていくのはそれが理由だったか。
「はぁ…そうなんだ」
「ああ部活中に直哉が歩いてたのはそう言うことだったのかー!とことん自分の欲望に忠実なんだな!」
「うわ、放課後も何かやってんの?」
具体的に何をやっているのかは知らないけど何かすごいって顔をしている立花と龍。水野は興味がないのかスマホでゲームをしている。
「もうすぐ始まるから移動しよ」
「おーそうだな」
逃げる側の俺達3人は講堂前のスタートラインへ向かった。
そうして新入生歓迎会の火蓋が切って落とされた。
俺達はそれぞれ単独行動をとっていた。3人でまとまって動くのは目立つだろうというふうになったからだ。
「はぁ、逃げるとかめんど…どっかに隠れるかー」
因みに現在、俺は白Tシャツの上に黒い羽織と、黒いワイドパンツを着用してます。全体的に暗めにしといたらあんまり目立たないんじゃないかなーと思ってたら最終的に真っ黒になった。真っ黒って暗い所では無敵だけど明るい所だと逆に目立つよな。なるべく日陰を歩こう。
ふらふらと取り敢えずは講堂から離れているが、そろそろ鬼から身を隠す場所を見つけないとな…そのうち鬼さんが放たれて見つかったら撒くまでずっと逃げないといけない。
「んー隠れるとなったら校舎だよな、普通に考えて」
ここの学園の奴らは貧弱な……か弱い子が多いらしいから、屋外で隠れるとかしなさそう。茂みの中とか、木の上とか、物置の裏とかね。
「じゃあ、外に隠れよ…」
ひたすら校舎裏の茂みの中を進む。偶然にも獣道的なものを発見したので、それに従って歩く。
あ〜長ズボンで良かった。ハーフパンツと迷ったんだよねー。ハーフパンツだったら今頃雑草で足がズタズタよ。
「あ、」
土の道だったのが、白いタイルの道になった。とは言っても、そのタイルは古いのか、苔が生えていたりタイルの隙間から雑草が生えていたりしている。道の両側には低木や色々な花々が植えられている。
これがイングリッシュガーデンというヤツか?
その道をさらに進むと、薔薇が絡みついたアーチが見えてきた。支柱が必要なバラ…つるバラだっけ?それ以外にも自立する薔薇がそばに植えられている。
「なんか一気にメルヘンチック…」
梅雨だと感じさせないほど清々しい晴天。太陽の暖かい光が俺を照らす。そこにたまたまベンチがあって〜たまたま眠かったらさあ?
「これはもう寝ちゃうよねー」
ベンチに身を預け、横になる。ふあ〜ぁ、やはり眠気には逆らえぬ…
俺は眠りに着いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 49