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蓮は下を向いたまま、兄さんからの問いかけに固まっている
固まっているというか考えがあふれて言葉にできないって感じ
その場に沈黙が流れる
しびれを切らして話を打ち切ったのは母さんだった
「あぁ!もう!こんなに暗い話するために集まったんじゃないでしょ!
今日は紹介できたらいいなって連れてきてくれたんだから。悠太も心配なのはわかるけどそういう話をするのはまた今度!」
続いて姉さんも
「せっかく集まったのにお酒が美味しくなくなるしね」
と笑いながら言っている
兄さんは「悪かった、ちょっと一人にしてくれ。蓮君もごめんね。」と部屋を出ていった
「蓮?気にしなくていいよ。兄さんは昔から心配性なんだよ」
「……うん」
「れーん、これ飲んで」
気持ちが切り替えられないでいた蓮に手元にあった日本酒を飲ませる
すると一気に顔が赤くなり、コップ一杯で完全に出来上がった
「眠かったらここでごろんてしていいから」
横になった蓮は甘えたいらしく俺の手を指でつついたり、なぞったりしていたが、頭をなでて恋人繋ぎすると安心したように寝息を立て始めた
「それにしてもびっくりよ。浩太は結婚なんて興味ないと思ってた
お母さんは知ってたの?」
「少し前に恋人をみんなに紹介したいって電話が来たのよ
蓮君の話は聞いてたし、なんとなく結婚も考えてることも察してたけどね」
「そうだったの?私全然わからなかった」
母さんも姉さんもどこで出会ったのか聞かなかった
自分から言うまでは待ってくれるつもりらしい
ずっと聞きたかったことを口に出す
「母さんと姉さんは俺が蓮と一緒になること、どう思う?」
「「なにそれ」」
「母親とか姉として蓮のこと受け入れてくれる?
やっぱり男と一緒になってほしくないとか…」
「何言ってんの。それを決めるのは自分でしょ。
少なくとも今まで見たどの彼女よりもお似合いよ」
と言ってくれたのは姉さん
「私は浩太が連れてきた人ならみんな受け入れるわ」
と母さんが続く
「ありがとう」
こういう時は女性の方が柔軟なのかもしれない
兄さんのあれは拒否ではなく心配の類だ
職業柄も相まって、受け入れる前に心配が来てしまったんだろう
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