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午後佐藤君と一緒に過ごして俺自身も少し気持ちが晴れた
営業の人たちとはホテルが違うので一回も会っていないし、メールもほとんどしない
先行きが見えないこの状況下で知り合いはコイツしかいない
支えあっていかなくてはいけないと思う
今日も高速バスの空きを検索したがやっぱり満席
駅だけでなく線路の爆破も所々で発見されていて在来線も新幹線も壊滅だった
「佐藤」
「はい」
「お前この辺に知り合いいるか?」
「いえ…」
「だよなぁ
どうにかして帰らなきゃ」
どうにもならない現状をどうにか変えたい
その一心で暇さえあれば帰り方を検索した
高速バスはもちろん、飛行機も考えたがどれも満席で予約が取れない
ニュースでは連日のように犯人捜しをしているがメディアだけの力で犯人が特定できるはずもなく、専門家が毎日防犯カメラの映像を解説しているだけ
「………れん」
「?
なんか言いました?」
「あっ、いや」
「センパイ、恋人さんと連絡取れてますか?」
「うん、暇さえあればLINEも電話もする
夜ご飯は毎日ビデオ通話しながら一緒に食べてるよ
向こうが寂しくないようにそうしようって」
「優しいんですね」
「うん
ずっと一人だとよからぬことを考えたりもするけど、繋がりを途切れさせないようにしてくれるから踏ん張れてる」
「いいなぁ」
「恋人、いないの?」
「いないです
でも片想い中です」
「女?男?」
「男です」
「へー、俺の恋人も男だよ
かわいいけどね」
「ちぇっ
惚気ですか」
「ははっ
今日の夜ご飯の時見せようか」
「いいんですか?」
「まぁそれまでにあっちがいいよって言ったらだけど。」
「センパイの恋人さんです!多分いいって言ってくれます!」
「はいはい、聞いておくからいったん部屋戻りな」
元気になった佐藤君を半ば無理やりに部屋に戻してから蓮にLINEを送った
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