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side.蓮⑵
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悩みに悩んで結局断ることにした
そのことを浩太に連絡してからベッドに寝転ぶ
あとどれくらいで帰ってくるんだろう…
早く会いたい…
浩太がつけてくれた跡はすっかり消えてしまった
きっと俺が浩太に付けた跡も消えちゃっただろうな
後輩って佐藤さんだよね?
あの人ぐいぐい行くタイプっぽかったし、浩太にも懐いてた
もし佐藤さんが浩太のこと好きだったら……
何日も一緒にいてしかも頼れるのはお互いだけというこの状況で変な関係になったりしない?
俺は負けてしまわないだろうか?
浩太が傾くことはないとわかっていながらも不安な気持ちは溢れてくる
浩太は俺に対して敏感だ
俺が言えることじゃないかもしれないけど。
いつも少しでも元気がないだけですぐに気づいてくれる
それは画面越しでも同じだった
でもこの気持ちは気づいてほしくない
きっと困らせてしまうから
夜ご飯まで気持ちを切り替えることができずいっそ今日は電話するのをやめようかと思ったその時浩太から電話が来た
『もしもし?蓮?浩太だけど!』
「うん」
いつもは落ち着いてしゃべる浩太が電話に出た瞬間にしゃべり始めたことに驚いた
『帰れることになったよ!
明日会社の人が迎えに来てくれる!
明日の夜中か、明後日には帰れると思う!』
「ほん、と?」
『うん!』
今までずっと張りつめていた糸が切れたかのように崩れ落ちた
ボロボロと涙がこぼれる
よかった……
それから何の話をしたのかはほとんど覚えていない
浩太が「泣かないでよ」と何度も言っていた気がする
電話を切って放心状態のままダイニングに行って紗良と母さんに心配されたけど「浩太が帰ってくる」と言えば2人も自分のことのように喜んでくれた
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