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ノンケわんこ×ツンデレゲイ 1
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好きな人と恋愛対象が違うっていうのはつらいことだと思う。
だってそうでしょ。こんなに好きなのに相手は自分のことを好きだって言ってくれることはないんだから。
「兄貴ってそういうとこヘタレだよね。」
「うるさいなぁ。お前とは違うんだよ。」
ソファに寝そべりながる弟を睨みつける。
弟は俺と同じく同性愛者で、俺のいい相談相手になってくれてる。
といってもあいつは俺と違って好きな人とうまくやってるらしく、最近はその子の家に泊まることも多い。
「そろそろ素直に告って見たら?案外成功するかもよ?」
「なわけ。あいつまた好きな子出来たって告ろうとしてたんだから。」
「また振られるんじゃね?」
「真斗……」
弟の無情な言葉に呆れるて睨む反面そうであったらいいなと思ってしまう自分がいる。最低だと思うが、好きな人に自分以外と付き合ってほしくないと思うのは仕方ないと思う。
「だってそうでしょ。竜生さんって告っても毎回振られるじゃん。」
「そうだけど……」
そう。竜生は人懐っこくて明るい性格だからいろんな人に人気だけど、好きな子ができて告白するとなぜか毎回振られてしまうのだ。
俺からしてみたら、相手の見る目がないのでは?と思うけど、本人は開いては何も悪くないと言い張るから何も言えなくなる。
「ま、どうせそろそろ振られたからって家に来るんでしょ。俺瑠佳のとこ行くから。じゃね。」
「は!?お前なんで知ってんの!?」
「兄貴スマホ見てる時相手が竜生さんだと顔ゆるゆるだよ?」
スマホだけ持って弟が家から出ていく。
…え、俺そんなわかりやすいの?
弟にそんなこと見抜かれてると知って少しショックを受けていると、うちのインターフォンが鳴る。
「……遅い。」
「悪いっ!アイス買ってきたから許してよー愛斗。」
「許す。早くはいんなよ。どうせまた振られたんでしょ。」
「え!何でわかったの!?俺まだ家に行っていい?しか言ってない。」
「そういう時は全部振られたっていうだろお前。」
違う。本当は付き合うことになったなんて聞きたくなかっただけ。
だからあえて振られたっていった。そっちの方がうれしいから。
「で、次はなんて言われて振られたの?」
「いつもと一緒、ほかに好きな人いるでしょ。だって。本気だったのになぁ~!!」
「ッ!」
他に好きな人。本気だった。竜生が降られるたび、毎回出てくる単語だ。
その言葉が出るたび俺の心は締め付けられる。
本気だった。竜生はいつもそういってるけど女の人のカンって案外鋭い。他に好きな人って誰?ずっと言われてるじゃん。そんな好きな人がいるのかよ。
「…はぁ。お前は人に囲まれるタイプだからな。勘違いされたんだろ。」
「え~」
「どうする?泊まってくなら酒出すけど今日は帰るか?」
「飲む!泊めて~~!!」
竜生の笑みは苦手だ。何度見ても慣れなくて心臓がうるさいくらいに鳴り響く。素直に告れ……ねぇ。
「できたら苦労しねぇんだよなぁ。」
頼むから、この気持ちを素直に伝える勇気をだれかください。
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