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かき氷(せんしま)
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センラside
「あ"っっつい!!!」
只今15時。仕事から帰ってきた志麻君は半ギレ状態。一番暑い時間帯に外居たんはキツいもんな。
「梅雨あけたと思ったら何この猛暑!日焼けするわ、汗かくわ、マスクの中は蒸れるわで最悪や」
「お仕事お疲れ様。冷たいおやつあるよ。部屋はクーラーで冷えとるから汗で風邪引いたらあかんし、取り敢えずシャワー浴びてき?」
「……ほんまセンラとおるとダメ人間になりそうやわ。尽くしてくれてありがとうな」
「俺が志麻君の為にやりたくてやってるんやから気にせんといて」
「スパダリやん」
自分は当たり前のことをしているだけだがスパダリと言われて悪い気はしない。
志麻君がお風呂に入ったのを確認してからおやつの準備をし始める。
「これをここにつけてと……お、出来たな」
「ふぅ、出たでセンラー。あ、かき氷機やん!!どしたんこれ!」
「会社のイベントで一回だけ使ったんやけど、もう使わんからやるって上司に言われて、断れなくて貰ってきた。あとは氷をセットしてハンドル回せば出来るで。シロップはそこに置いてあるやろ」
「うしさせカラーやん、抜かりないなぁ。はよ食べよ」
目をキラキラ輝かせてかき氷機を見る志麻君の瞳は子供のまんま。
家で祭り気分味わえるし、志麻君の喜ぶ顔も見られるし一石二鳥や。もらってきて正解やったわ。
ガリガリと音をたてて氷を削っていく。多少力がいるので女性には不向きだ。
俺以外年配の男性と若い女性しかいないうちの部署。必然的に俺の手に渡るわけだ。
「氷削れたで。好きなシロップかけて食べて」
「おう、俺レモン味にするわ」
俺の色を選んだのは恐らく無意識。最近、志麻君の私物に黄色が増えてきてるのも把握済み。
「なら、俺はブドウ味にしようかな」
お互いの色。俺に至っては独占欲丸出し。
パクパクと食べ進め、志麻君は時折頭がキーンとなるようでこめかみを押さえている。
ちなみに俺は一度もそうなったことがない。
「頭キーンってなると夏本番やなぁって感じするわ。ね、舌の色変わってる?」
べっと舌を出す志麻君。
「変わってる。ちゃあんと俺色に染まってるで」
「ったく///黄色って言えや
そーいうセンラは俺色に染まってるな?」
「志麻君の色に染まりたかったので」
「………あっそ」
素っ気ない返事だけど、志麻君の頬はふにゃりと緩んでいる。
「かぁわい」
「は?何が?」
「志麻君が。口に出なくても顔に感情が駄々漏れなところがすごく可愛くて愛おしいなぁって」
「出てる!?嘘やん、それって外でも?」
「外では相変わらずのポーカーフェイスやで」
「よかったぁ。こんな顔センラにしか見せられんもん」
「逆に、センラ以外に志麻君にそんな顔させるやつおったら嫉妬で気が狂うわ」
かき氷の山をスプーンでブスブス刺して言うと、ぽんぽんと頭を撫でられる。
「はいはい、落ち着きせんちゃん。志麻にはセンラが一番やき。な?」
志麻君のデレ期到来。
俺のライフは持ちそうにありません。
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