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シンデレラは兄達に愛される
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昔々あるところに、とても美しい容姿をした貴族の男の子がおりました。
その子は早くに母親を亡くし、お父様は再婚。
しかし、お父様も亡くなり、今は継母とその連れ子の兄のそらるとうらたと共に暮らしているのです。
し「ふぅ、ここの掃除は終わりっと」
う「んなっ、まーしぃ…。ちょっとそらる兄さーん!」
そ「どうしたーうらたくん。あー、ね」
そらるとうらたは志麻が掃除した部屋を見て呆れてしまっています。部屋はどこかしこもピカピカ。志麻がこなす家事は完璧なのですが…
そ「志麻さーん、ちょおっと俺たちとお話ししよっか」
し「へ?坊っちゃん?」
二人は志麻をお茶を飲むためだけに作られた部屋に連れていき、メイドにお茶を淹れさせます。
し「坊っちゃん、俺なんかが貴殿方とお茶なんて」
う「俺ら言ったはずだよね。まーしぃは使用人じゃなくて俺達の弟だって。坊っちゃんじゃなくて兄さんって呼んでよ。敬語も無し!」
そ「家事もやらなくていいんだよ?今は真冬で手も荒れちゃうし。使用人さん達の仕事取っちゃってるし。働かないと家から追い出す、なんてしないよ?」
し「ごめんなさい。俺はただ、父が亡くなった今もこのお屋敷で生活出来るお礼がしたかったんです。父の教育のお陰で、家事は出来ましたから」
志麻はお母様似でした。お母様は優秀かつ美しく、人からも信頼されるまさに理想の女性。
志麻にお母様の面影を感じ取ったお父様は厳しく教育なさりました。
し「俺は男ですが、花嫁修行もさせられておりましたので。母のような理想的な淑女に育つようにと。父は母にそっくりな俺を男ではなく女として教育していたのです」
兄弟は初めて聞いた志麻の身の上話に驚きを隠せません。まさか女としての教育をされていたなんて誰が考えたでしょう?
そ「元より母も俺達も、志麻さんを家族としてこの屋敷に迎え入れたのだから、お礼なんて要らないんだよ。女性らしく振る舞わなくてもいい」
う「そうそう!まーしぃはどうしたいのって話」
し「俺は……………俺は、兄弟としてお二人と過ごしたいです。兄と呼びたい、一緒に遊びたい。沢山、したいことがあります!!」
「「やっといってくれたね。志麻、おいで」」
二人は嬉しそうに声を揃えて弟を呼びました。
志麻は二人の兄の胸に飛び込み頬を濡らします。
し「そらる兄様、うらた兄様。大好き、これからもよろしくね」
志麻は二人の兄と幸せに暮らしました。
めでたしめでたs
継母「来週三人で王宮の舞踏会にいってらっしゃい」
「「「は?」」」
…………次回、舞踏会編です
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