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【本編番外】おまけ小説
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【本編番外、オマケ小説 帰りの車の中。】
「…真ちゃんさぁ…」
「……なんだ。」
「……あのビューテラスのあるレストラン、何で知ってたの?…誰かと行ったとか…?」
プウ、とアヒル口になった高尾が、ギアを握る緑間の袖口を引っ張る。
「……あのレストランを知ったのは、看護婦達が話しているのを耳にしたからだ。…場所はその後でネットで調べた。…行ったのは今日が初めてだ。」
「…あの場所でプロポーズしようって決めてたの?」
「…いや、本来ならパンコール・ラウ島の水上コテージをと考えていたんだか…。」
その言葉に高尾がまた「ブフォツっ!!」と噴き出した。
「パンコール・ラウ島って何処!?」
「…マレーシアだ。日本からフライトで12時間ぐらいか…。」
「プロポーズするのにフライトで12時間って、真ちゃんマジで人事尽くし過ぎだろっ!」
ヒーヒーと腹を抱えて笑う高尾に緑間の眉間に皺が寄る。
「…プロポーズと結婚式は一生に一度のものだろう。…だから、完璧な物を用意してやりたかったのだよ…。」
「……真ちゃん、笑ったりしてゴメンな。…俺の事を思って、色々考えてくれてたんだよな。」
「…まぁ、結果的にはあんな小さな夜景になってしまったがな…。」
高尾は自分の左手の薬指にはまる指輪をいじりながら薄っすらと頬を染めた。
「あの夜景も、スゲー綺麗だったぜ?…俺、今日の事は一生忘れねーよ。」
その表情を確認した緑間は「…そうか…。」と表情を和らげた。
「…まぁ、まだ結婚式とハネムーンが残っているからな。パンコール・ラウ島はその時でもいい。」
「え!?やっぱり行くの!?パンコール・ラウ島!」
「当然だ。…子供が生まれて落ち着いたら行くか。」
「…子供が12時間も飛行機乗ってられるのかな?」
「…なら、赤司に頼んで自家用ジェット機でも出してもらうか?」
「ふぇえ!?赤司って自家用ジェットまで持ってんの!?マジ何者!!?」
「…たまにはリゾート地で、親子でのんびりするのも悪くないのだよ。…それに、新婚初夜もあるしな…。」
「し、新婚初夜って!!!」
ビクリと肩を浮かせ、後退りするように運転席を見れば、整った横顔が、ニヤリと笑っていた。
「…覚悟しておくんだな。」
チラリとこちらに動かされた鋭い深緑の瞳が『冗談ではない』と物語っていて、高尾は顔を赤らめた…。
「……もしかして、和成また妊娠しちゃうかも……。」
ふざけて言った言葉に緑間が「…ふむ、」と相槌を打って「…それもいいな。」と応えた。
「…え?…真ちゃん、冗談だよね?俺まだ、1人目すら生んでないんだけど…。」
「ハネムーンの時は既に1人目は生まれている予定だから大丈夫だ。」
「…え?…え?……ねぇ、何処までが本気なの…?……ねぇってば!!」
「危ないから腕を引っ張るな。運転中なのだよ。」
「だから、何処までが本気なんだっつーの!!」
「危ないと言っているだろう!」
「なーなー!!真ちゃん!!」
「うるさいのだよ!!」
番外編END
【本当はどーしても入れたかった、オマケのNGシーン】
綺麗な指先を伸ばして、再び高尾を抱きしめる。
「……こんな大切な日にまで、一緒に居てやれなくて、すまないのだよ…。許してくれ…。」
「…謝らなくていーから、代わりに愛の言葉を囁いてくれよ。」
ギュっと緑の頭を抱き締めれば、強い力で身体を抱きしめられる。
「……愛してるよ、俺の不器用なダーリン…。」
「……俺も、愛しているのだよ…ハニー…。」
首筋に蹲った黒い頭が震えている。
「……和成…?」
頭の揺れが一層大きくなると「ブフォオッ!!」と噴き出す音が聞こえ、それと同時に笑い声が上がった。
「あははは!…真ちゃんがハニーって!!似合わねぇーー!!」
「なっ!?お前がダーリンと言うから俺は合わせて言っただけなのだよ!!」
「わりー!わりー!いやー、余りにも真ちゃんの『ハニー』呼びが可愛くてさ、堪えられなかったわ!」
ヒーヒーと腹を抑える高尾に、緑間はムッツリとして眼鏡を押し上げた。
「んな、怒んなって。…マジで愛してるよ、真ちゃん❤︎」
「…フン、分かっているのだよ。」
NG編END
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