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大掃除と謎の箱
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【青桜】
⚫︎1月1日に妊娠属性機を使用
〜12月31日 昼頃〜
年末の恒例行事と言えば大掃除だろう。
一年間の汚れを落とし、新たな気持ちで新年を迎える為の行いでもある。
それは、この青峰家でも変わらない。
年越しに向けて、コツコツとしてきた掃除も今日で全てお仕舞いだ。
はたきを片手に横を見れば、欠伸をしながらも窓を拭く大輝さんの姿がある。
彼は、朝から何度「めんどくせぇー…」と呟いたことか…。
ダルそうにしながらも、手はテキパキと動いていて、みるみるうちに窓がピカピカに輝いていく。
「窓掃除が終われば、今年の大掃除はお仕舞いですから、頑張りましょう。」
「…ホント、だり〜わ…。来年はマジやらねーからな。」
「分かりました。」と返事をしながら、その言葉に思わずクスリと笑ってしまう。
このセリフも毎年のお決まりだ。
『やらない』と言いながらも31日になると、さり気なく現れて、いつの間にか手伝いをしてくれている。
ぶっきら棒に見えて、本当はとても優しい人なのだ。
「…スイマセン…。お手伝いのお礼に、夜は大輝さんの好きなもの作りますね。何がいいですか?」
「……豚の角煮。…ピリ辛のやつ。」
「…マスタード風味ですね。分かりました。」
頷けば、大輝さんは機嫌が良くなったのか、ハイスピードで腕を動かし始めた。
その姿を見て、僕も掃除に集中する。
クローゼットの扉を開けて、パタパタとハタキをかけ、軽く埃を落とすと、棚の中を整頓する。
ここは日頃からきれいにしているから、大したことをしなくても大丈夫だろう。
大輝さんが漁った、皺のよった服をたたみ直していくと、引き出しの奥に白い箱が置かれているのが見えた。
(……何だろう、あの箱…?…あんなの前からあったかな?)
腕を伸ばし、箱を引き寄せると、それは20cmほどの大きさだった。
回りには青いリボンが巻きつき、開けたような痕跡がある。
リボンに指を絡めて、解こうとしたが、勝手に開けるのは良くないと思い留まって、大輝さんに聞いてみることにした。
彼の側に行き、声を掛ける。
「…大輝さん、この箱何ですか?」
「……あ?」
硝子を見つめていた鋭い瞳がこちらに振り返り、細い腕に抱えられた白い箱に視線が移されると、一瞬だけ青い瞳が見開かれた。
「…やべっ!忘れてた!」
一言声を荒げると、奪い取るように箱を攫っていく。
「……中、見たか…?」
「…いえ。…リボンがしてあったので、大輝さんに聞いてから開けようかと…。」
青峰はホゥ、と小さな溜息をつくと気まずそうに視線を空した。
「…コレは俺が片付けとくからいーわ。」
「……大切な物なんですか?」
「…あー…、まぁ、そんな感じ。」
「…そうですか…。じゃあ、後でクローゼットの中に仕舞ってくださいね。」
桜井は、よく分からない。という顔をして持ち場に戻って行く。
その背中を眺めながら、青峰はフーッと息を吐き出した。
(…あっぶねー!!…素面の時に、こんなモン見られたら、拒否られるに決まってんじゃねーか!)
(…つーか、正直、コレの存在忘れてたから良が見つけてくれて助かったわ。…今夜のプレイは決定だな。)
ニヤリと不敵な笑みを浮かべて、箱を持ったまま寝室へと向かった。
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