アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
海の月
-
トーストを食べ終わった蒼葉さんが俺を見て優しく笑う
「ご馳走様」
「また食べましょうね」
?
一瞬遅れて俺は今幸せを求めてしまったんだと気づく
それじゃあダメだ
幸せは、多分俺に似合わない
俺なんかが幸せで、許されるはずがないんだ
「うん
俺も食べたいな
今日みたいな日が毎日続けばいいと思ったぐらいだよ」
……幸せ、だ
でも、幸せになると自分の日常が不幸だと思い込んでしまう
幸せな夢を見た日に目を覚ましたく無くなるみたいに
俺の現実に戻れない
戻りたくない
「…」
「さぁ、それじゃあ行こうか水族館
くらげ好きなんだろう?」
何も言わずに少し笑ったら
蒼葉さんも少し笑ってそう言った
「大好きだよ」
「そっか」
くらげは時間が存在してないみたいだから
ふわふわと水の中を自由に漂う
半透明の体もひらひらの触手も綺麗だ
だって、くらげは海の月だから
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 35