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くらげをたべる
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アカクラゲオムライス(濃厚バターのチキンライス)
サカサクラゲパフェ(季節のフルーツ)
ミズクラゲゼリー(ブルーハワイ)
タコクラゲパスタ(たらこ)
……いくらなんでもくらげに乗っかりすぎな気がする
2ページしかないメニューの中でやたらと目立つくらげ
ゼリーはいいとしてパスタってなんだよ
「ははっ、見てこれ
ドリンクに100円でウリクラゲが着くみたいだよ」
水増しするくせに高いのか
「くらげ……」
体良く使われている哀れなくらげ達が不憫でならない
「せっかくだからくらげのやつ食べようかな
タコクラゲのパスタかぁ」
クラゲの形を作るために高く積み上げられたパスタの画像に恐怖すら感じる
「タコクラゲ……わざわざ毒のあるクラゲを…」
「本当に入ってたら死んでたなぁ」
「刺されても痛くない程度みたいだけどミズクラゲと一緒の水槽にいれちゃうとミズクラゲが弱って死んじゃうんだ」
「くらげ同士でも相性があるんだな
どっちも可愛い見た目なのに一緒にはしてあげられないのか」
「俺オムライスにしよーっと」
「くらげの?」
「いや普通の。」
「っふ、なんで」
「だって、これどっちも濃厚バターのチキンライスって書いてあるよ?
ケチャップでくらげ描くだけなんでしょ」
俺は騙されないぞ
くらげの名前を借りただけで値段も水増しするとは
「なんて普通のオムライスもメニューにあるんだろうな…」
「俺は生きてるくらげを見たから充分だよ」
クラゲの思い出は水槽の中の美しい浮遊体が全てでいい
「確かにそうか
飲み物とデザートはどうする?」
デザート、は…くらげメニューのだけか
可哀想なくらげ達。
「んー……ゼリー可愛い…でもパフェも…」
透明で小さな深皿に本物と見間違うほど可愛らしいミズクラゲがちょこんと乗っている。
これは食べたい
ん?パフェのグラスは30センチ…?
多そうだな…単体なら食べられる…か……?
それにサカサクラゲを模したようなクッキーがゆる可愛い…これも食べたい…
「どっちも頼んでいいよ」
「うー、食べきれなかったら勿体ないし…」
「じゃあ食べきれない分は俺が食べるよ」
「え?ほんとに?」
「もちろん」
うーん…
「…じゃあ俺はこの3つたべる」
楽しみだ
「トキくん飲み物は?」
瞬間的にウリクラゲを思い浮かべる
……可哀想なウリクラゲ
ドリンクを飲み終わったら捨てられてしまうんだろう
その運命を思うと可愛そうで仕方がない
「飲み物、は…烏龍茶がいいです」
「わかった」
「くらげ……」
「つけるか」
「…」
こくりと頷くとにこりと笑われる
察しが良い男はモテるらしいからきっと蒼葉さんはモテるんだろう
店員に注文を済ませて他愛も無い話をする
楽しいな
ずっと昔からこんな時間を知れていたらなにか違ったのかな
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