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四つ葉のクローバー
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食事を終えてまたくらげのエリアまで戻ってきた
パーカーのポケットにはウリクラゲの保冷剤が入ってる
店員さんがこっそり持ってきてくれたからだ
この子達も貰ってやってくださいって
いればいるだけ可愛い
いくらか歩いているとようやくミズクラゲの大水槽に着く
青白い光がクラゲを透かしている
もう少しで水に溶けてしまいそうだ
昔行った海で見たよりもずっと綺麗だ
この記憶はまた新たに俺の心に残るだろう
大袈裟なんかじゃなく
「トキくん?」
さっきカフェテリアで俺にからかわれて脳死してたくせに
心配そうに顔を覗き込まれる
「蒼葉さん
綺麗だよね」
「あぁ、そうだなぁ。
俺はくらげがこんなに綺麗だとは知らなかったよ」
馬鹿だからくらげのことだと思って目を細めている
人が綺麗だって初めて思ったよ
猛犬の癖にさ
「俺生まれ変わりとかがあるならくらげがいいな」
綺麗なあなたに見つめられている可愛いくらげに
「確かにそれもいいかもしれない
けど、人間の間はこうやって色々なものを見るのも随分楽しいものだな」
「うん」
勘はいい癖に鈍感
俺が感じているこの気持ちが楽しい、なのだろうか
だとしたらこの先これ以上無いくらい俺は楽しんでいる
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