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家では1人
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「ーー町のーーーの角」
「じゃあこっち?」
「うん」
終わりはやっぱり呆気ない
強がってわがまま言ってもひとりぼっちの時間は訪れる
今まで心地いいと感じていたのに
今では想像だけで寂しい
「遅くまで連れ回してごめんね
明日バイトでしょ?」
「大丈夫だよ
まだ難しい仕事とかは任されてないし大丈夫だよ」
「そっか
俺また近いうちに顔出すよ」
「ありがとう
俺も蒼葉さん来るの待ってる」
別れの挨拶って嫌だなぁ
蒼葉さんが後でやっぱり面倒だって思ったら二度と会えない
俺はあまりいい子で居なかったから『また』はもうないのかもしれない
「の辺だよね
次はどっち?」
最後の角を曲がってしまった
もう終わりだ
「もうここで大丈夫
そこの白いアパートだから」
「そっか
じゃあ目の前まで付けるよ」
「……うん」
「……今日はありがとう」
「こちらこそ」
「あ、そうだ忘れるところだった」
「ん?」
「ちょっとまってて
トランクに……」
慌てて車を降りた蒼葉さんを追いかけるとやたら大きい何かを抱えていた
「え、えっと…蒼葉さん?」
「っしょ、えーっと…プレゼント…?
つい勢いで買っちゃったんだけど……」
「あっ!!」
ヒラヒラの触手
売店に居た桁のバグったくらげだ
「よければ貰ってくれないかな」
「……いいの?」
俺が持つと視界が全て埋まるくらい大きいから
玄関に入るかは少し危ないところだけど
「もちろん」
「……ありがとう
…俺も、渡したい物があって……良かったら…」
「え?」
「な、中は帰ってから見て…ください……」
「……ふふっ、うん
じゃあ家に帰ってからゆっくり見るよ
ありがとうトキくん
大事にする」
きっと、多分似合うはず……
大人だし、使わないことはないと思うけど…
「そ、それじゃあ!」
なんかもう普通に恥ずかしい
「おやすみ
またね」
「はい」
人生で一番楽しい日だった
……早く寝よう
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