アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
冷える風
-
ドロドロと
そんな表現が似つかわしいほどに
剣呑な顔つきでベッドに沈んでいた
あれから幾日経った
わからないな
頭痛が、酷い
飯も食ってない
こんなことで体調を崩すなんて
無様だな
自分で自分を嗤うと酷く虚しい
いっそこのまま死んでしまおうか。
なんて、馬鹿みたいだな
枕元に置きっぱなしのスマホの画面が着く
LINEの通知だ
どうせまた昴だ
『藤々木です
今家の前に居ます』
藤々木……?
トキくん、か?
『トキくん?』
『そうです』
『家の前って、誰の?』
『蒼葉さんの家に決まってるでしょ』
『…本当に?』
『嘘ついてどうするんです
寒いんで、開けて欲しいんですけど』
『今行く』
ベッドから起き上がって玄関に向かう
その間も高速で動く頭
何故ここに?
本当に?
LINEは昴だな
「…ずび」
「……いらっしゃい」
「遅いですよ」
「ごめん」
「お邪魔します」
ドアを開けると大荷物で鼻を真っ赤にしたトキくんがいた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 35