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顔合わせ 合意
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僕にとって一樹さんは、ずっとずっと憧れて外から眺めるだけだった家族の一人。
だから、こんなに近くで僕をその目に映してくれている現実に舞い上がっていて。
笑顔を向けられたら、空を飛べそうなくらいふわふわしてニヤニヤしちゃいますよ!
これだけでも本当に本当に幸せで。
お父様が亡くなってからずっと乾いてひび割れていた場所まで包み込まれたようです。
なのにっっ
あぁ、どうしよう⋯自分にだけ向けられた笑顔も声も眼差しも全て、ずっと僕のものにしたいなんて。
湧き上がってきた気持ちのあまりの強さに、目眩までしてきました。
そうか、僕がこの人と家族になることだって出来るんだ。
番候補って、そういうことだ⋯
ずっとずっと忘れられずにいた、あの桜の下を歩いていた四人の姿。
それが頭の中で、初めて僕と一樹さんの二人に置き変わる。
そんな可能性、今まで微塵も考えたことなんて無かったのに。
その想像が出来てしまった途端、なんとしても僕の番候補になることを一樹さんに承諾していただかなくてはと俄然やる気が出てきました。
泣き落としでも良いから頷いていただこうとまで思ってましたが、訂正します。
どんな手を使っても、です。
僕の背負う気合が変わったことを感じ取り、藤原さんもアイコンタクトで「必達」を誓い合います。
一樹さんは、そんなやり取りがあったことは知らず、年の差が有りすぎて、後から子連れのαが来ると思っていたようです。
僕が自分の相手だとわかると、予想通り後ろ向き。
けれど、僕が凛太郎君のことも知っていて、僕の家の事情も説明してお願いしたら、番プロジェクトの書類にサインしていただけました。
凛太郎のアドバイスのおかげです。
懐まではいきませんが、少しでも近付きたくて一樹さんと初めて手を繋ぎました。
僕のことを少しでも意識して欲しいから、恋人繋ぎです。
一樹さんは驚いた様子でしたが、手を外そうとはされませんでした。
こうやって少しずつ近付いて、隣にいて、僕しか一樹さんの番相手はいないと思ってもらえるように努力していきましょう。
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