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午前の授業が全て終わり、昼休みの時間になった。
「明!いつもの場所に集合だから!俺は購買でおにぎり買ってから行くからまた後でな!」
「わかった」
光輝はそう言い、足早に教室を出ていった。
いつもの場所とは、光輝が所属している漫画研究部の部室の事だ。
本校舎とは別にあり、外に出て本校舎の裏側に行くと見えてくる部室棟の一室である。
俺と光輝、あともう1人の友達の愁がほぼ毎日そこでお昼ご飯を食べている。
明が弁当を持ち教室から出ようとすると、智哉が明の前に立ち塞がった。
そういえば、今日は珍しくお昼までずっと教室にいたな…
「またいつもの2人と、陰気臭い場所でご飯食べるの?」
「そのつもりだけど」
「あんな場所で食べるご飯なんて美味しくないでしょ」
「そんなことは無い。それを言うためにわざわざ話しかけてきたのか?」
「別に?ただ、俺には理解できないな。あんな埃っぽい場所で食べるお昼ご飯が美味しいなんて」
ニコッと笑う智哉。
「そうか。でも別にお前に理解されなくても大丈夫だ。
智哉はあの2人とお昼食べるんだろ?俺に構ってないで、早く2人のところに行ってあげたらどうだ?」
後ろに振り向き、東林達のいる方を見る。
「おーい!トモ、早く飯食おーぜ!」
「ほら、呼ばれてるみたいだけど。」
そう言い、智哉の方に向き直ると目が合った。
その時、智哉の顔が一瞬歪んだように見えた。
なにかに腹を立てている、そんな感じの顔。
でもすぐにいつもの表情に戻り、無言のまま明の隣を通り過ぎた。
明は気にせず、いつもの場所へと向かった。
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