アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
7
-
明が弁当を持っていつもの場所へと向かう途中、校舎の影に座り込む人を見つけた。
座り込んでいる人は、顔を下に下げていて表情がよく見えない。髪の色は薄茶色で肌は色白、とても具合が悪そうに見えた。
「あの…」
ビクッ
明が声をかけると、肩が驚いたようにあがった。
「あの、大丈夫…ですか?」
もう一度声をかけると、少ししてからゆっくりと顔を上げた。
(あれ、この人…)
「……清水(しみず)先輩…?」
「ぼ…僕のこと、知ってるの?」
「はい、先輩が図書当番の時によくお世話になっているので。」
「………そっか」
「あの、どこか具合でも悪いんですか?」
「ううん…でもちょっとすぐには立てない状態でね…
でも、だ、大丈夫だから、放っておいて」
そう言った清水先輩の口元を見ると、血がついていた。
「…ちょっと待っててください」
「えっ…」
そう言い、明は走って外にある蛇口のところに向かい、ハンカチを水で濡らしてきた。
「すみません。少ししみるかもしれませんが我慢してください。」
「い、いいよ!ハンカチが汚れちゃうから!!」
「ダメです、触られるの嫌かもしれないけど、我慢してください」
「いい、嫌ってわけじゃないけど!あっ…〜〜っー」
遠慮なくハンカチをそっと当てると、しみて痛みが来たように少し清水先輩の顔が歪んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 15